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同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。

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行動経済学とゲームデザイン ゲームバランス システムとシナリオ ゲーム制作に行き詰まった時 キャラクターデザイン
感想と解体新書 あなたにとってゲームとは何ですか? 作成ツール
仮説
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ゲームを作る前、こうでなきゃいけない、ああでなきゃいけないと言う感じで理想のゲーム像のような物は誰しでもあると思います。ただ、それを追いかけると自分の持っている技術のギャップでいつまでも完成しなくなってしまいます。妥協しないのは甘えです

 下手に前作の評価が良かったりするとなおさらです。それを超えなきゃいけないと言う心理的なプレッシャーから作業が進まなくなります。そして評価を高めようと思って色々な勉強を始めます。起承転結だったり、登場人物の作り方だったり。それ自体はいいのですが、もっと先にやらなければならないことが有ります。

 ゲームを作る事です。

 バットを振らずしてバッティングのフォームを研究しているのと同じで、振らない限りバッティングのフォームは良くなりません。そして、こと創作活動に関しては料理のようなレシピが存在しません。キャベツ、油、フライパン、コンロ、調味料、そういった素材に相当するものはいくらかはあります。作成ツールだったり、BGMだったり、ゲームバランスなどです。しかし、どのくらいの量でどのくらい炒めるかなどの料理方法に相当するもの、作品のレシピはまだ開発されていません。

 文章一つにしてもそうです。3点リーダーの使い方など、小説が育んだ一定の日本語のルールのようなものはあります。文法もあります。が、前フリを2回やってから3段落目でこのオチなどの、言ってみれば塩小さじ一杯に相当する具体的な量などは誰一人として名言していません。

 レシピの無い状態で美味しい料理を作るにはどうしたらいいかと言うと、味見を繰り返す事と、いくつも作る事です。そして試食してもらって感想をもらう。もうこれしかありません。

 だいたい、世の中にあふれているゲーム作成のノウハウというものは、作品を量産するにあたって行き詰まった時に役に立つものでしかありません。2本や3本、普通に生きていれば引き出しは有ります。ましてや、もし最初の1本が完成していない状態なのであれば、量産のためのノウハウよりもどうやって完成させるかのやる気の方が何倍も大切なのです。

 今作っているものが駄作になるのが恰好悪いと思うかもしれません。でも天才でもない限り1本目から名作など有りえないんです。もしかしたら自分は天才だとどこかで思っているから、駄作が許せないのかもしれません。大丈夫。違います。天才は自分の作品が駄作になるかも知れないと心配したりしません。

 自分自身が凡人である以上、名作を産み出すためにはいくつもの駄作を生み続けなければなりません。そして一本完成させるとその時の経験が、ノウハウ本の読み方にも生かされるようになります。作る前に読破した本を完成させた後に読み返すと、見落としていたものをボロボロ発見することになります。が、それは完成させないと発見できない物で、同様に、2本目を完成させないとくみ取れない文章があります。

 よって、もし今読み進めているゲーム制作の本があるなら一旦それを閉じましょう。そして目の前にある駄作を駄作として完成させましょう。発表しなければ自分の評価は傷つきません。だから駄作を作る事自体を怖がらないようにしましょう。そして、駄作が一本出来上がったら、もう一度頭からその本を読み返しましょう。同じ本なのに、きっと別の本のように感じるはずです。
ゲーム制作中、ふと途中で「このゲームは何が面白いんだろう」と思うことが有ります。今作っているRAGAVEの外伝など5,6回書き直しています。どういうゲーム内容にするのか、あーでもないこうでもないとこねくりまわしている期間が1年近くあったような気がします。

 そこからようやっと最終形が決定して作業が進む事になるのですが、前に進むきっかけが何だったかというと、一人分のあらすじの完成でした。思い返すと、こちらも制作中ですが、女将軍モーゼも同様に元奴隷を主人公にする事であらすじが固まったし、Dな食卓もそういう話があって何とか形にできないかなぁと漠然と考えていたものです。

 なんだかんだ、未完成のシナリオを否定する口ではありますが、なにかしらシナリオが漠然とできたことで作成のモチベーションにつながることが多くあります。この時、自分の中で働いている心理は、「このシナリオを世に出さないのはもったいない」と言う損の気持ち。だと思います。

 何が作成のモチベーションにつながるかは人によりけりだと思います。例えば、「このシステムを」だったりするかもしれないし、「このジャンルを」だったりするかもしれません。何か核になるものを一つ掴めれば、突き進むのはそれほど難しくはありません。

 逆に、これを掴めないうちはどんどん規模が大きくなっていく傾向があるように思います。RAVAGE外伝はその典型で、新しい事に挑戦しようとする気持ちがあるうちは収拾がつかなくなっていました。それに対して、これを伝えよう、これを見てもらおうと言うゲームの目的が出来上がると、規模の拡大はぱったりと止まり、むしろ縮小する方向に動くようにすらなります。

 シナリオを作るきっかけになったのは従軍慰安婦問題でした。自分は「もう解決済み」の立場の人間ですが、それを解決済みなのだからと作品に持ち込もうと思ったわけではありません。この問題を調べていくうちに、ある動画に遭遇し、それを反映させたいと考えました。簡単に言うと、従軍慰安婦に対して「どうせ戦死するから」と有り金全部を預け、そして帰らなくなったお得意さんの話です。

 最近やけに涙もろいところもあるのですが、この話で受けた感動はちょうど物語の舞台が島をめぐる戦争で、前作はそういう場所でのお話で合ったということで、作品に持ち込んでみるにはうってつけだと感じたんです。という事で、作成に対する意欲が一気に沸いてきます。

 振り返るとモーゼにしても作成のきっかけはディスカバリーチャンネルの古代の戦闘史の、将軍モーゼとメタトロンメタトールでしたし、自分のように自身の書いたシナリオがモチベーションにつながるタイプの人間は、何か感動する機会、という物を複数作った方がいいように思います。

 感動する機会は映画でもいいし、音楽でもいいし、友人関係でもいいし、もちろんゲームでも構いません。社会問題でも歴史でも何でもよくて、その中の、感動した一部を共有してもらいたい、共感してもらいたい、伝えたい、体験してもらいたい、そういう作品を作る目的をつかむことが出来れば、制作に対する迷いは吹っ切れるようになると思います。

 正直、迷っている時間は3歩進んで4歩下がる場合が殆どでした。どのみち無駄な時間になるのであれば、いっそのこと遊びに出た方がいい刺激が得られるかもしれません。意識して外に出れば、同じものであっても見え方が違うはずです。
「人間の集中力って30分ぐらいしか持てへんねんて」

 高校時代、友人から言われた一言です。といってもこの発言自体に深い意味は無く、ただ学校の授業という物に対して「50分授業は無意味だ」と批判したくて出た発言だろうとは思います。そもそも教師によっては授業中に3割以上が漫画を読み、ほとんどがタオルを枕にして昼寝をしていたような有様だったので、集中力がどうのと言う前に半数以上の生徒が授業には集中していませんでした。

 あまりのやる気の無さに、ある教師など3学期の半分以上を自習にし、テスト範囲だけ伝えてそのまま期末テストに突入するぐらいでした。ヤンキーこそいませんでしたが、さりとて真面目でも無い、学校が自慢できることと言えば新谷かおるの母校と言う程度で。当然、新谷かおるがその技術を学んだ学び舎は我が母校ではないです。今思うと30分ぐらいの集中力という問題提起に対しては、授業の受け方の態度は自由、という緩い校風が答えだったのではないかとふと思います。

 高校の時には的を外した30分説ですが、体感として確かに集中できる時間はそのぐらいだと思います。集中できる時間と言うよりも、集中してしまう時間と言った方がいいかもしれません。30分よりやや短い時間で半端に区切るとその先が気になって仕方なく、次の30分が持ちます。また、30分を超える単純作業は30分を超えた瞬間一気に疲労が襲ってきます。30分区切りでなにか作業を切り替えていった方が集中力は維持しやすい気がします。ただ、集中力がどれだけ続いたとしてももう一つ、物理的な限界には遭遇します。人間、長時間座るようには出来ていません

 だいたい2時間に一度ぐらいの周期で椅子から離れるようにした方が、体にはいいと言われています。上手く離れることが出来た日の晩はやはり集中しやすいです。

 椅子から離れるためには些細な用事を残しておくといいでしょう。食事をとるだとか、部屋を掃除するとか、とにかく立つ用事を4つぐらい。食事をとった後の洗い物を次の休憩の時に行うでもいいですし、洗濯機のスイッチを押した後、干すのを次の休憩にするでも構わないでしょう。とにかく、その日にやるべき立つ作業、歩く作業をまとめてやらないで小分けにしておきます。すると、体はもちろんリフレッシュするが、違う刺激が入ってくるためか、脳も元気を取り戻します。

 それと、人前での貧乏ゆすりはたしかに見栄えがよろしくないのですが、一人の時はやりましょう。長時間座っていると足に血液がまわらなくなるので、それを防ぐためです。そして、やはり人間はどこまで行っても動物なので、体を動かすことで脳も元気になるようにできています。本能的な欲求を満たすための自家発電的な行為も恐らく椅子に座ったままだろうから、これを解消するためには大型のオナ……まぁそれは置いといてw とにかく、椅子から離れる機会をなるべく用意したほうがいい、と言う話ですw

 食事の後に洗い物をすぐやらなかったり、貧乏ゆすりをしたり等は、第三者から見ればみっともないと映るでしょうが、一人暮らしであれば別に気にすることもありません。それよりも大事なのは疲労を防ぐことです。洗い物を残すことで、4時間座るところを2時間に分けることが出来ます。一旦休憩を挟めば、それだけで体は多少回復します。夏、途中に日陰のある通りを歩くのと、最初か最後にしか日陰がない通りを歩く場合、前者の方が楽なのと全く同じ理屈です。

一本完成させたことが有る人と完成させたことが無い人の差はかなり有ります。フリーゲームにせよシェアウェアの同人ゲーにせよ、初心者はとにかく完成を目指しましょう。最初の一本が完成しないと、以後、絶対に完成できません。


 完成させるコツはいくつかありますが、以下の3点を守れば難しくないと思います。
  • 規模を小さくする。
  • リストアップを行う。
  • 毎日手を付ける。
 一本、RPGツクールVX aceでの作成を例に考えてみます。

規模を小さくする

 まずは規模を小さくする事です。出来るだけシンプルに、救うのは世界ではなく、小さな村で構いません。初期パーティも主人公一人、装備も初期装備でクリア可能なものを。オープニングの自動実行イベントは凝れば凝るほど手が止まる元になりますから、自動イベントなしでも把握しやすい、危機的状況からのスタートが望ましいでしょう。と言うわけで牢屋など、何かしら監禁された状態からが一番解りやすいと思います。一言で言うと戦闘の発生する脱出ゲームです。

 以上の要素を整えると、舞台背景はこんな感じになります。
 主人公の生活していた村が盗賊に襲われ、多くの村人がいくつかの家に閉じ込められた。主人公とその仲間はタンスの裏の壁に穴をあけ、いつでも脱出できるようにし、町へ助けを求められる状況まで整えた。ただし、助けを求めるためにはお金が必要で、お金に関しては他の家から集めなくてはならない。村を出る際に所持していたお金の量で雇える兵士が変化し、エンディングが一応変化する。
 オープニングは閉じ込められた部屋がベストです。棚の前に友人を配置して、話しかけると簡単な状況を説明させてやりましょう。外をあまり長時間うろつくと怪しまれてしまうのでタイマーを利用し、このタイマーが0になるまでに部屋に帰らないと盗賊が怒りゲームオーバーになる。

 色んな家をめぐってはお金を集めたり、換金できそうなものを集めたりし、盗賊に接触すると戦闘にはいり、敗北するとゲームオーバー。

 他の家にこっそり侵入するのに使えそうな道具がいくつかあった方がいいと思うので、オーソドックスだがロープや板、ツルハシなどを用意し、特定のポイントで使えるようにします。ただし、これらのアイテムは一つしか所持できない。また、板は重いので移動速度が下がってしまう。

 村の状況については、他の村人らに話しかけた際に不安そうな会話をさせてやれば演出ができるでしょう。話しかける人によっては、最後に雇える兵士が増えたり、特定の兵士が安くなったりしても面白いと思います。

 規模としては小規模だが、遊べる内容にはなると思います。

リストアップ

 村なので家は少なくても大丈夫です。サンプルマップを読み込めば村のマップの手間は省けます。森の町か、山奥の村が舞台背景的にもマッチすると思います。家の数が少ないのは森の町なのでこちらを採用するとして、家の内部で作成しなくてはいけないMAPは6つです。二階のある家が一軒なので7個作ります。

 アイテムも3つ。板、ロープ、ツルハシ。

 盗賊に見つかった時の戦闘はコモンイベントにした方がいいので、コモンイベントの作成を一つ。

 それと、町に出て酒場で話しかける人が居た方が面白いかもしれないので酒場のMAPが一つ必要です。

 ざっとリストに挙げると以下のような感じになります。


  • 民家1
  • 民家2
  • 民家3
  • 民家4
  • 民家5
  • 民家6-1F
  • 民家6-2F
  • ロープ、板、ツルハシを使えるイベントの作成

  • 酒場
コモンイベント
  • 盗賊との戦闘
エンディング(&デバッグでの確認案件)
  • 最終バトルに勝利
  • 最終バトルに敗北
  • 盗賊との戦闘に勝利
  • 盗賊との戦闘に敗北
  • 探索の時間切れ
アクター
  • 主人公
職業
  • 一般人
敵キャラ
  • 盗賊
  • 盗賊のボス
敵グループ
  • 見回りの盗賊
  • ラストバトル
 このぐらいでいいでしょう。他の細かなところは作ってみないとわかりませんが、作業量は大体見えてきたと思います。酒場で雇える兵士に関してはデフォルトのアクターを使えば問題ありません。敵キャラはデフォルトの敵キャラを流用して画像と名前を変更してやればいいでしょう。

 主人公に関しては無力な一般人でなければならないので、アクターを一つ追加で作成し、最大HPなどを低く設定します。ツルハシを持っている場合、運が良ければ盗賊を一撃で倒せるとそれはそれで違った遊びになって面白いと思います。

毎日手を付ける

 だいたいこのぐらいの内容、規模であれば3日もあれば作れると思います。ただし、時間が取れる日、取れない日もあると思うので、一日に5分でもいいので手を付け作業をどれか進める習慣をつけおきましょう。一日5分でも手をつけていれば、ひと月も有れば完成するはずです。作業はとても小さな内容で構いません。

 例えば、MAPのイベントを一つ作るとか。
 例えば、敵キャラの名前を盗賊にするだけとか。
 例えば、コモンイベントの名前を付けるだけとか。

 そんな些細な事で構わないんです。慣れてくると解ると思いますが、膨大な作業量というものは、些細なものが積み重なっただけでしかありません。どこまでやっていいか解らなくなるのは全体像が見えていないからで、全体像を把握するのに最も手っ取り早いのはリストを作る事です。そして、作業が進んでいる実感を得るために、そのリストにチェックを入れていくこと。

 なるべく毎日手を付けることで、どこまで進めたかを忘れずにいることが出来ます。日が長く開いてしまうと内容を忘れてしまいやる気も消えてしまいます。そして、もし、一日触れない日があった場合、二日目にはそれを取り返そうとしないことです。触らなかった日を別日に取り返そうとすると、触らなかった日数が心に重くのしかかりやる気を無くしてしまう大きな原因になります。やる気をいかにしてキープするかが完成への近道です。

 規模を小さくするのも、リストアップを行うのも、毎日小規模でいいから手を付けるのも、やる気を維持するためだと思って下さい。そして初心者のうちはやる気よりも、どうしていいか解らない不安の割合が大きくなってしまいがちです。一本完成させて慣れることができれば、この不安は経験が軽減してくれるようになります。よって、ゲーム制作の初心者はまず完成させることです。

 最後にデバッグについてですが、何か要素を追加するたびにこまめな確認を行った方が安全です。テストプレイ中だと、発見したとしてもつい先に進めてしまい、その結果、折角見つけたバグや誤字脱字を忘れてしまいます。追加した直後の確認であればそこしかないので、発見後、忘れる前に手直しが出来ます。

 最終的なテストプレイでは全てのエンディングを頭から確認しましょう。思わぬところにバグが潜んでいることが有ります。恐らくこのバグの確認で1日、ないし2日は消費するでしょう。

 バグが無いと思ったらめでたく完成です。ふりーむなりどこなりに登録して反応を見て次の一歩を踏み出しましょう。
  
プロフィール
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素材屋GY.Materialsを運営。
TRPGや同人ゲームなどを制作。イベントプロデュース等。
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