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同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。

カテゴリー「ゲームバランス」の記事一覧
人間が知覚出来る個数という物には限界がある。

 例えば、言葉は同時に一つしか認識できない。ラジオを聞きながら小説を書き下ろしたり、発言をしながら相手の話に耳を傾けたり、文章を読みながら人の話を聞くことは出来ない。

 それと同じように、同時に認識が出来るものはだいたい3が限度で、意識して4つ目を認識する事がやっとできる。5つ目以降は非常に認識が困難となる。

 頭の中で思い描いてもらいたいのだが、3x3の9マスはぱっと思い浮かぶだろうが、4x4の16マスは思い浮かんでも3x4までで1行か1列がどちらかが消えてしまうはずだ。5x5の25マスは非常に困難を極める。だから、物を箱に入れる際、3x4の12個で入れる習慣が生まれ、1ダースは12個となっている。これは人間の仕組みが生んだと言ってもいい。

 13が不吉な数字とされるのも13以降は認識しづらいという体のしくみを、宗教的な物に乗せたに過ぎない。見落とすものが増えると、それは混乱の元となる。

 一時的に表示される素材など、リソースの種類は無制限に合って構わない。もちろん、それぞれ使う所がきちんと存在している事が条件だが、種類を増やす事そのものは問題ない。しかし、常時表示されるものや、素材として要求されるものなど、認識が必要な物に関してはあまり沢山のリストが存在すると、それだけでやる気をなくしてしまう。

 実例として、DMMのアダルトゲームに3Dグラフィックを利用したゲームで、1年持たなかったロイドマスターというゲームがある。まぁゲーム性もイマイチだったのはあるが、素材の数が12種類あり、これを常に表示していたのがプレイヤーの混乱を招きサービスの寿命を縮めたのだろうと思う。もちろん、それ以外にも縮める要素は有ったとは思うが。

 何かミッションを受ける度にこの資源を消費するのだが、回復方法が不明瞭である事から何回このミッションが出来るのかがプレイヤーには伝わりにくかった。もっと資源量を調節して、いっそのこと資源をロイドの作成だけにしていれば12種類でも問題は無かったように思う。そうすれば、画面もシンプルにできたはずだ。

 人間は、選択肢がある事で実は不幸になる。2つあるだけで、片方を選ぶと、もう片方を選んでいれば、という気持ちが生まれる。だから2つでさえ迷う。何かを沢山用意する時は、プレイヤーに悩んでもらいたい場合、検討してもらいたい場合にのみ使う事。

 確認させたいときは4つまで。それ以上の物を使わせたい場合は4区切りで段階を用意する事。できればその段階も3段までが望ましく、よほど特殊な理由が無い限りは2段までにしておく事。3段以上は心のハードルが乗算で増えていくだけでなく、4段目以降は覚えきれない可能性が高くなってくる。

 この体の仕組みを逆に利用して、あえて4段以上の要素を作るのも良いとは思う。ただし、なるべく長編でだけ使ったほうがいいとは思う。

 世の中に3部作が多いのも、人間がそうできているからで、そういう物だと覚えてしまおう。常に表示される確認用のステータスは4つまで。

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ゲームを作る際、コンセプトと照らし合わせて要素の追加、削除を行うコンセプトワークは、完成度を高めるために必須と言われている。が、そのノウハウについて語られる事はほぼない。で、どうやるの? というやり方について目にする機会は本当に無いと言っても良い。これから書く内容はそのやり方や、コンセプトから外れたものの見つけ方の一つなので、使えそうなら使ってみて欲しい。

準備
戦闘
リソースの検討

 ここ最近のゲームは大体このサークルで作られている。表は左回りにみて欲しい。簡単に説明するとこういう事だ。

  1. 戦闘でリソースを手に入れる
  2. リソースを消費して装備などを手に入れる
  3. 装備品を選択して戦闘に向かう

 この3つをサイクルしている。切り分けるかシームレスにするかはそのゲームによりけりだが、大抵の場合、同様のサイクルをより制限して戦闘に盛り込んでいたり、リソースをさらに入手するためのサイクルが作られている場合が多い。戦闘に盛り込んだ際のリソース部は準備で持ち込んだものになる。いくつか例を挙げると以下のようになる。

戦闘 準備 リソースの検討
モンハン クエストへの出発 装備品、所持アイテムの決定 お金を消費して装備の購入、素材、アイテムの補充
モンスターとの戦闘 納刀、抜刀、使用アイテムの準備、罠設置 持ち込んだアイテム、入手したアイテム
ドラクエ モンスターとの戦闘 装備。パーティ編成。所持アイテム お金、経験値、クエストの進行度合い。アイテム整理。
ファイエム 自軍ターンの終了 ユニットの再配置や回復、攻撃、買い物 彼我のユニットの配置
艦これ 出撃 艦隊編成 艦娘の数
艦娘入手 消費資源の決定 艦娘の数

 コンセプトワークはこういった色々なサイクルが、そのゲームのメイン部であるサイクルを広げるような形になっているかどうかを検討するもので、あらかじめあるパラメーターや追加した要素がそのサイクルからはみ出ていないかを見直す作業と言っていい。

 見直す作業を行う際、忘れてはいけないのは、このリソースを準備して戦闘に出たらどうなるんだろう、とか、こうなるんだろうか、といった期待や好奇心がプレイヤーを動かしているということ。つまり、プレイヤーから見るとあの表は逆の右回りになる。

  1. リソースから戦闘を予想する
  2. 予想した戦闘に必要な準備を行う
  3. 準備のために必要なリソースを消費する
 場合によってはこの準備(装備)を戦闘で試したいから、このリソースが欲しくて、そのリソースが手に入るからこの戦闘に出る、ということもある。

 重要なのは、リソースが動機を産み出している、と言う点だ。なので、その期待に応えるためには、このリソースを持っているときはこうなるよ、と言うのを用意しておかなければならない。

 例えば着せ替えなどはそうなのだが、リソースの消費なしに手に入ったものに関しては人はそれほど見返りを求めない。バイオハザードのクリア特典の衣装などは、ゲームに一切関係ない事を知っている。が、デドアラビーチバレーでは見た目のためにお金をかける。プレゼントした水着をNPCの際に選んで着てくれるというバックがある。艦これの中破に関しては、戦闘の結果であり、リソースを消費した結果ではないため、特に何もなくとも不満は無い。

 同人ゲーなど、個人で作る場合、この着せ替えで見た目が変わるだけで力尽きてしまう事が多い。そうではなく、その衣装の時、特定の場所に向かうと何かが起こるといった、見返りを、特にそのゲームの芯となるような部分に用意する事。

 もし、追加した要素が特にこれと言った見返りも無く、ゲームの戦闘部にも影響を及ぼさないのであれば、思い切ってカットしてしまうのもコンセプトワークの一つだ。

実際の数値がどうであれ、人間は試行回数で数を数える生き物である。という事は、何回でどんな心理を抱くか、という物を把握しておけば、ゲームバランスを取り、演出を行う際にも役に立つはずだ。

 この試行回数自体は、プレイヤー側への試行回数にも当てはまる。両方を把握しておくに越したことはないと思うので、表にまとめてみた。試行回数1は、敵の場合は一撃で倒せる敵、味方の場合は、あと一撃で倒される状態を指す。

試行回数と心理
試行回数 敵への試行 味方への試行
1 ストレスなし。 危機感。必死。
2 ストレスなし。 危機感を覚える。
3 ストレスなし。 危機感を覚える。
4 手ごわい。けどまぁなんとか。 まだ余裕
5 手ごわい。 余裕
6 手ごわい。 余裕
7 硬い。 自身の強さを実感
8 硬い。 自身の強さを実感
9 硬い。 自身の強さを実感
10 強敵。 自分が強すぎてちょっと退屈
11 強敵。 自分が強すぎてちょっと退屈
12 強敵。 自分が強すぎてちょっと退屈
13以上 場合によってはラスボスクラス 優越感に浸れるが面白くない

 常に2発から3発で殺されるような相手との戦いを続けていると、特にアクションゲームは上達が早くなる。また、この試行回数そのものは攻撃を受けた回数、攻撃をした回数に留まらない。例えば戦闘回数にも変換することが出来る。

 RPGでのレベルアップ等、あと9回の戦闘なら耐えられるが、あと10回だとやる気がそがれてしまう。そのほかにも、SLGなら一回の占領で相手の拠点を落せるのと、数回の占領を要する場合では部隊の配置などが変わってくる。RPGでも1ターンで殲滅できる相手は5発殴っても手ごわいと思わないが、2ターン目に突入すると、すでに5回殴っているので敵パーティに対して「硬い」という印象を抱く。また、学習したプレイヤーは同じ敵パーティに対して硬いと思うし、これが1ターンで倒せるようになると大きな成長の喜びを見出すようにもなる。認識の大きさ、範囲は常に変化するので注意が必要だ。

 ステージ数や章などについてもこの心理は応用できる。大きな大きな構成としては3章だが、その中の構成は1章につき9ステージ毎であったり、特定の勢力を倒すのに4ステージをかけたり、あるいは、新しい勢力が登場するのに4ステージ開けて印象を植え付けるなど、試行回数による心理描写、心理誘導は様々な場面で活躍が出来る。お笑いの天丼(繰り返すギャグ)でも4回目はくどいと感じるし、食べる方の天丼でも、恐らく同じてんぷらは3つまでだ。

 次のスキルを習得に必要なレベルが3であればあと少し、4だとちょっと遠く感じるし、スキルツリーであれば、4レベルの間なにも成長できなければ、プレイヤーはつまらないと感じるだろう。しかし、プレイヤーが選択しなかったとしても1レベルから3レベルの間にスキルツリーが解放されていけば、プレイヤーは成長を実感することが出来る。

 バランスを取る際、心理バランスが大前提であることを忘れないで欲しい。

RPGは特にそうなのだが、敵の数値をどう設定するかについては、適当にやってはいけないと理解しているが、どう設定していいか解らない人は多いと思う。何も考えず設定した結果、とんでもないダメージが出たり、逆に弱すぎたりして、調整を何度も繰り返す。一日中同一のフィールドで戦闘していた、というのも別に珍しい事ではない。

 ここの数値の設定方法は、とにかく何回も試して数字を変更する、というのが最もベタな手段だが、やみくもにこれをやっていると非常に疲れる。プレイヤー側を調整し、モンスター側を調整し、結果全体的にやり直したりと言う無限ループに陥ったことが、実際何度かある。

 この無限ループから逃げ出すには、大雑把な地図が必要だ。簡単に言うと、攻撃回数を決める、という事。桝田省治氏によるRPGのゲームバランスの調整方法はこのやり方を取っている。

 ここでもう一つ問題になってくるのが、レベルアップの成長速度だ。どのくらいの速度で成長させるのがちょうどいいのか? あまり早く成長させすぎると難易度が下がりすぎてしまうし、フィールド間での敵の強さに大きなばらつきがでてしまう。なので、なるべくゆったりとしたグラデーションをイメージした方がいい。しかし、あまりにも緩やかだと成長を実感できない。

 プレイヤーが強さを実感できる瞬間がどんな時かというと、まず最も単純で効果的なのは新しい技を覚える事。ただし、増えすぎると煩雑になり混乱の元なのであまりこれに頼るのはよろしくない。次に強さの実感を得られるのは、通常攻撃で倒す回数が減った時だ。とても地味だが雑魚戦というものはストレスを感じるものなので、ここの回数が減るとストレスの軽減につながるし、なによりも計測しやすい。

 なので、成長の速度のバランスを決める際には、初遭遇する敵キャラを3発で倒せる程度にしておき、2発で倒せるのはどのイベントの時なのか、1発で倒せるのはどのイベントの時なのか、という想定レベルを作ればいい。他の敵キャラは2発で倒せるとき2発ぐらいだけれども、1発で倒せるようになってもまだ2発とか、2発で倒せるときは3発、1発で倒せるときは2発とか、回数で調整を取ると数値のバランスもとりやすくなる。

 これはプレイヤー側も同様で、適正レベルなら、何もしなければ5戦闘、10発で死ぬと決めておけばプレイヤー側のバランスもとりやすくなる。

 同時に、これは最低限強さを実感できる物語の長さでもあり、最初に遭遇した雑魚が1撃で倒せるぐらいの強さの時に、エンディングを迎えるぐらいが、短編のゲームとしては丁度いい長さと言えるだろう。長編であればこれを節目として利用してやればよい。節目3つで中編、初期のドラゴンクエストぐらい。節目3x3の9つで長編。俺屍は長編と考えても良い。

 とにかく、人間は回数で判断をする生き物なので、設定している数値というものは、強さの物差しではあるが、それ以上に演出としての側面の方が強い、と覚えておこう。

行動経済学とゲームデザインにおいて、人は損によって動かされると書いた。そして代表的な3つを上げ、すでに期間についてとリソースについて書いた。今回は最後の選択肢に入りたいと思う。

 くどいようだがゲームデザインの代表的な損は以下の3つ。

  • 期間
  • リソース
  • 選択肢
 ここでは、固定の結果を持ち、ゲームの結果を大きく左右したり、課程におけるプレイスタイルに影響を及ぼすもの、もしくは展開上に選択肢しか存在していないゲームを指すものとする。

 例えば、オセロは期間と選択肢を上手く組み合わせたゲームで、将棋はリソースと選択肢が組み合わさったゲームである。オセロは非常に良い例で、盤面の数は決まっており、おかれた個数が減らない以上、1ゲームの手数は決まっている。よって、1手は期間を失う損なのだ。そしてどこに配置することで自分自身の損を減らし、相手の損を増やせるか。その選択肢を決定するゲームで、ほぼ選択肢だけでゲームが成り立っている稀有な例と考えていいだろう。

 大きな枠組みで考えると、初代のドラゴンクエストには選択肢がない。戦闘のリソース管理においては選択肢が存在するが、あれはドラゴンクエストの一面に過ぎない。全体を通して考えるならば、ストーリーには選択肢による分岐は無く、主人公も男性で性別が決定しており、職業も「勇者」の一種のみ。レベルアップによって何かスキルを選ぶという事もなく、パーティも一人だけで、冒険のリソース管理だけに特化したゲームと言ってよい。これはドラゴンクエストⅡに関しても同様で、ドラクエは以降になって初めて選択肢が現れるようになる。どういったパーティで臨むのかは、プレイヤーがどこに損を見出すかで変化するため、個性が発揮されやすい。

 キャラクターの選択、スキルの選択という面をより強くしたゲームにディアブロⅡが挙げられる。ストーリーには大きな変化はないが、初期キャラクターでスキルの方向性が決まり、さらにレベルアップやイベントなどで手に入るスキルポイントにより、どういったキャラクターに仕上げていくかは、一定の定番こそあるが、やはりプレイヤーの個性に大きく左右される。

 選択肢を最も効果的にストーリーに取り込んだゲームと言えば、やはり真・女神転生になるだろう。三本の軸となるストーリーはゲーム中の選択肢により大きく変化するばかりでなく、戦闘での行動、店への寄付や利用、仲魔の扱いなどによっても影響を受ける。もちろん戦闘時にどの仲魔を連れて歩くのか、邪教の館でどの仲魔を合成に使うのか。新たに仲魔にしたい悪魔を作るためにはどうするのかと言うのも選択肢として機能しており、より選択肢に重要度を与えた作品と言ってよい。

選択肢はそもそも損を内包する
 なぜ選択肢があるとゲームとして成立しやすくなるのか。実は選択肢が多ければ多いほど、人は不幸になるからだ。過去を振り返って、あの時あれを試してみたらどうだったんだろう、という後悔が常に付きまとう。そして、重要な選択肢であればあるほど人生においてはもう一度その選択肢が現れる機会は少なくなる。それに対して、ゲームはその重要な選択肢をいつでも選びなおすことが出来る。

 つまり、ゲームでは選択肢そのものが、選ばなかった選択肢に対する損として機能すると同時に、時間を巻き戻して選びなおす、というリカバリーがいつでもできるために自分なりの損の回避を見出すことが出来るのだ。よって、選択肢はあるだけである程度の面白さを保証するし、選択肢だけで成り立っているゲームというものはかなりの数に上る。

 また、選択肢はストーリーとの相性が非常に良いため、アドベンチャーゲームの分岐などにも多く使われる。この場合は固定の結果となることが多い。逆にストーリーの無いゲームでも、SLGなどリソース管理の根底は選択肢であるため、ゲームには欠かせないものと言っても過言ではない。余談だがリソース管理に使われる場合は往々にして結果はランダムとなる。

 さて、ここで重要なのは選択肢はいくつ用意するべきか、という事だ。結論から言うとエンディングは3つ以上、選択する機会は4回以上が望ましい。手ごわさを演出するためには攻撃回数を4発以上にするとよい、と以前書いた。これは人という生き物が3までは無意識に認識することが出来るからだ。生活していく上で、右と左と前は認識できるが4つ目の後ろや上、下などは意識しなければ認識できない。

 無意識で3つ。つまり、エンディングが3つ以上あれば、認識できるギリギリで3回ぐらいのものであれば人は苦痛を感じずにプレイすることが出来る。よって、エンディングの種類は3以上、できれば3が望ましい。選択肢だけのゲームであればグッドエンドが3種類、バッドエンドが他にいくつか、と言うのが望ましいだろう。これは選択肢の損のリカバリーのためだ。

 ギャルゲーであれば攻略対象そのものが選択肢として機能するので複数人数を出すのなら3人以上、慣れないうちは3人とした方がいいだろう。2つでは駄目なのは無意識での認識に余裕があるため物足りなさを覚えるためだ。ヒロインが2名の場合、ハーレムルートを作れば3つ目が出来上がるので、それを試してみて欲しい。

 同様に意識して4つという事は、選択する機会が4回以上あると、以前何を選択したかは、意識しないと覚えられないという事だ。その時に表示される選択肢は2つ以上あればよい。重要なのは選ばせる回数だ。これは選択肢の損をより強く演出するためだ。

  
プロフィール
HN:
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男性
自己紹介:
素材屋GYMを運営。
TRPGや同人ゲームなどを制作。
P R
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