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同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。

カテゴリー「感想と解体新書」の記事一覧
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損のデザイン

限定された期間
 あり
リソースの管理
 あり
明示された選択肢
 あり

分析と感想

 Papers, Pleaseはアルストツカと呼ばれる架空の社会主義の国で、国境の審査官となり入国希望者の審査をするゲームです。限られた制限時間の中で書類を確認する作業が非常に楽しいゲームで、実況動画なども多数存在します。

 いくつかの要素に分けられるのですが、ゲーム自体は2種類のゲームの複合と言っていいのかなと思います。まず一つ目は書類を審査していくゲーム。

 制限時間内に入国希望者の書類をチェックしますので、限定された期間が明確に存在します。また、間違い等に関しては2回まではセーフですし、シナリオ上、意図的に間違える事も可能であるため、ここはリソース管理として良いと思います。そして明示された選択肢ですが、これは当然入国の可否を決定する権限ですね。

リスクとリターン

 桜井政博氏曰く、ゲーム性とはリスクとリターンとのことです。

 リスクとリターンに着目した場合、ゲームの面白さを本当に引き出しているのはメインパートである書類審査ではなく、業務終了後の家族の健康管理です。書類審査だけだと実はあまり面白くないんですね。

 書類審査のゲームに挑むための動機付けが終了時に暖房を削るか、食費を削るかという選択肢、そして今の手持ちのお金と家族との健康を天秤にかけると言う形で30日生き延びる。実は健康管理と書類審査、この2つのゲーム性の複合体がPapers, Pleaseの面白さの正体です。

 家族の健康を維持するためにはお金を稼がなくてはいけない。給料はかつかつなので、基本的な攻略方法としては食費か暖房かを交互に削らないといけない。そして、一人死ぬことで食費は浮き家族の生活は多少楽になるけれども、それは一人見捨てるという選択肢、家族を一人殺すと言う選択肢をPL自らが行わなければならないと言う事です。

 艦これの轟沈システムもプレイヤーの判断ミスによるところが大きく、ロストするという強い衝撃を与えたものでしたが、Papers, Pleaseではプレイヤーの意思で、見捨てなければならないという中々残酷な選択肢を迫られます。架空とはいえ、そして「妻」や「息子」等、顔グラフィックすらない文字だけの存在とはいえ、家族を見捨てると言う選択肢はなかなか苦渋の決断です。

 プレイヤーは家族に寒い思い、ひもじい思いをさせながら、そして時には薬も変えず見捨てるしかない。そう言う状況に追い込まれる事もあり、どうやって家族を守ろうか、豊かに暮らそうかと考えるようになります。そのためにメインパートである審査の仕事を手早くやろうと工夫し、あるいは不正な賄賂やちょっとした副業などに手を染めます。

 全体的な貧しさと言うもの、そして家族を守ろうとする思いが、テロ組織であるEZICの誘いへとプレイヤーをいざない、そして誰しもが一度は通ってしまうであろう貯金の全額没収というシナリオのトラップを踏ませ、これがアルストツカという国への没入感を高める大きな要素として機能しています。

 これはもしかすると面白いゲームの文法として一つ機能するかもしれないので、ゲーム開発をされる方は是非取り入れてみて下さい。

類似ゲーム

 Papers, Pleaseはその面白さから一つのジャンルとなりつつあります。今確認できる範囲では以下のような物が有ります。

Who Is Zombie
帝國の関所番(注:18禁のエロ同人ゲー)

Who Is Zombie

 Who Is ZombieはPapers, Pleaseをよりコンパクトにまとめた内容になっています。

 Papers, Pleaseと比べ1日当たりの時間を短くした代わりに、審査がスピーディーに行えるよう工夫がされています。そして家族を守る要素は避難民を守ると言う形に変更されました。妻や息子といった文字列から人数という数字に変わったことで、犠牲が出る罪悪感は軽減されましたが、その分審査へのモチベーションは下がったように感じます。

帝國の関所番

 帝國の関所番は18禁のエロ同人ゲーです。リンク先に飛ばれる場合は注意されてください。

 審査等については大体同じような時間だと思います。武器の持ち込み禁止という名目等で身体検査を行う訳ですが、この辺りを上手く成人向けの要素に落とし込んでいると思います。代わりに家族を守る要素が無くなったため、お金を稼ぐモチベーションがあまり保てず、美味しい所を逃している気がします。

 ただ、美味しい所は逃したもののセクハラ要素で別角度のモチベーションを産んでいるのも事実なので、プラスマイナスは成人向けという意味においてプラスなのかなと思います。
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損のデザイン

限定された期間
 あり
リソースの管理
 あり
明示された選択肢
 あり

分析と感想


 物凄くよくできた短編のRPGです。性的なシーンは隠しているものの、ゲーム性としてうまく取り入れたなと。
 
 特に戦闘が楽になる境目あたりで敵の種類が変化し、もうちょっとで楽になれたのにというがっかり感が、この新しい敵も強くなればそこまで行けると言うモチベーション作りに貢献していてバランスのとり方が凄くいいと思います。
 
 限定された期間ですが、HPMPを全快させるイベントを発生させる回数が決まっているため、この期間内にどれだけ強くするかという遊びが出来ます。攻略上もっとも重要な要素ともなるでしょう。
 
 リソース管理ですが、一般的なRPGのHPMP管理、戦闘時にどれを攻撃するかという管理があるのと、上記のイベント回数の管理、レベルとの相談という形で存在します。
 
 一応エンディングに分岐が存在するため明示された選択肢もありとしました。
 
 ふりーむにて好評配信中ですので、お時間有る時にでも。
 

リスクとリターン


 桜井政博氏曰く、ゲーム性とはリスクとリターンとのことです。おっぱいそそその場合は大きく分けて二つあるように思います。

全快のリスク管理

リスク
 もう一回戦えたかもしれない
リターン
 全快する

 いつ全快のイベントを消費するか、もう一回行けるか、そろそろやめておくか。ここがゲーム性として強く機能していると思います。

グラフィック差分

リスク
 戦闘不能になるかも知れない
リターン
 ちょっとエッチなグラフィックが見れる



 定番のHPが減ると鎧が破壊されるというグラフィックですが、ゲーム本編のゲーム性とはやや関係ない所に発生したゲーム性のようなものですね。

 プレイヤー側としてはそう言うグラフィックを見たいというスケベ心があるのですが、そのグラフィックが出る=別のゲーム性に悪影響を及ぼすと言う要素でもあります。

 つまり、PCとしてはただ損でしかないが、PLとしてはご褒美になると言う形で、ゲーム本編のリスクリターンとプレイヤーのリスクリターン相反する仕組みというのは結構アリなのではないかなと感じました。

おっぱいそそそで遊ぶ

損のデザイン

限定された期間
 あり
リソースの管理
 あり
明示された選択肢
 なし

分析と感想

 双六の発展形で、ほぼモノポリーと同じデザインのゲームです。双六にリソース管理を足したもので、モノポリーで形成された破産、独占、競売などの基本要素を踏襲しています。

 モノポリーと異なる点は、生き残りを目指すのではなく目標金額を溜めてゴールをする事や、株価の購入、カジノなどで、これらは上手く付加価値として機能しています。

 4人プレイのパーティゲームではありますが、4人に満たない場合はCPUが担当し、CPUに様々な個性付けをしたり、舞台となる盤面を複数用意する事で飽きさせない仕掛けが施されています。

 盤面のデザインが自由である事や、CPUの個性付けは無限の可能性を持つため、世界観を乗せ換えるなどの変更が容易です。この容易さのお陰で続編を出しやすいという利点もありました。

 モノポリーがそうであるのと同様に、プレイヤーは止まったマス目での物件購入や買い物によるリソースの増減に一喜一憂し、無事一周できた時の喜びは買い物の金額が大きくなるゲーム終盤になればなるほど大きくなります。

リスクとリターン

 桜井政博氏曰く、ゲーム性とはリスクとリターンとの事です。いたストの場合、ほぼモノポリーですので、リスクリターンについてはモノポリーと同様にお金の使い方でしょう。

リスク
 所持金が減る
 ゲームオーバーに一時的に近づく
リターン
 高い収入を得られる機会が増える

 記憶が確かならモノポリーには株の要素は無かったはずですが、これも要素としては同じですね。

損のデザイン

限定された期間
 あり
リソースの管理
 あり
明示された選択肢
 あり

分析と感想

 ハドソンが開発したゲームで、双六の発展形です。モノポリーに近いゲームデザインだと思います。元々はさくまあきら氏が自作し仲間内で遊んでいたボードゲームで、電卓の計算が追い付かなくなったためコンピューターゲームにしよう、という事で制作が進められたものとの事です。

 何年遊ぶか、と言う形で期間が決められ、1年に一度決算と言う形で大きな収支が決定します。また、双六なので他のプレイヤーがゴールするまでのプレイ時間も一つの期間として機能しています。

 目的地となる駅で停車した際に商店の購入が可能ですが、これら購入した商店は決算や所持金が足りない際にリソースとして機能します。また特殊カードもリソースとして機能し、もちろん所持金もリソースとして機能しています。

 通常の双六と異なり、どの方向にも出た目の数進むことが出来ます。ただし、往復で2マスという移動方法は使えず、その場に留まりたい場合などは周回してくるしかありません。また、目的地へ進まないと言う選択肢もあるため、戦略、戦術の幅は非常に広く存在します。

 目的地に誰かがたどり着いた際、一番遠い所に居るプレイヤーには貧乏神がはりつき所持金などなどを次々に消費していきます。他のプレイヤーの上を通り過ぎる事で擦り付けることが出来ますが、この貧乏神の存在と擦り付けがプレイヤーに対して非常にいい損として機能し、面白さのスパイスとして機能しています。

 ただし、逆にこの貧乏神により発生する損を受け入れられない人間にはややつらい存在でもあり、人を選ぶ要因ともなっています。
リスクとリターン
 桜井政博氏曰く、ゲーム性とはリスクとリターンとの事です。桃鉄の場合、まずはルートが自由な双六という点が挙げられると思います。

ルートが自由な双六のリスクとリターン
リスク
 1位を取れなくなるかもしれない
 一番遠いと貧乏神がつくかもしれない
リターン
 マイナスの駅を回避しやすくなる
 カードなどを入手しやすくなる
 物件などを購入しやすくなる

 特に物件の購入は安定した収入の要として重要ですし、カードはリスク回避のためにも重要です。

 しかし、リターンの方が多すぎる傾向があるのも事実だと思います。なのでゲームチェンジャーとして貧乏神の存在が挙げられます。

 あまりに遠いと貧乏神がつく訳ですが、貧乏神のやる行動は基本的にはまっすぐ行かずに迂回して手に入れるリターンの強制破棄です。つまり、ゴールを目指そうとさせる、双六に戻そうとする効果をもつルールでもある訳です。

 ただ、これは桜井さんも言っているのですが、あまりにこのリスクが大きいとユーザー離れを招いてしまう事になります。事実、自分は貧乏神がきつくて桃鉄はあまり好きなゲームではないです。リスクの調整が合わないユーザーは離れてしまいます。もっともこれはターゲット層の問題でもあるので、単に自分が貧乏神がキツイユーザー層だっただけだと思います。仕組みとしては非常に効果的な仕組みだと思います。

損のデザイン

限定された期間
 あり
リソースの管理
 あり
明示された選択肢
 なし

分析と感想

 端的な説明をすると、双六にリソース管理を足したゲームです。一定の所持金をもち、他のプレイヤー全員が破産するまで続けられます。最後の一人として生き残れば勝者です。

 限定された期間は、何回と言った具合に固定されたものではありません。双六と異なり、ゴール地点が存在しません。最後の一人になるまで続けられる、いかにして脱落しないかが競われます。限定されてはいますが固定はされていない、フレキシブルな期間と言えます。

 所持金はもちろんリソースですが、それ以外にも購入した物件などもリソースとして機能します。特に交渉をする際には非常に大きな材料となり、見た目のデータ以上の力を発揮することが有ります。

 他人の所有しているマスに止まるとお金を支払わねばならず、脱落へと一歩近づきます。リソースと期間の損を同時に発生させる非常に優れたデザインです。また、同一の色のエリアの物件をすべて保有すると独占となり、支払う金額が2倍となるだけでなく、家などを建てる事によりさらに多くの利益を得ることが出来るようになります。最後の一つの物件はそれだけで大きな価値を持ち、価格以上の交渉の価値を持つようになります。

 損のデザイン以外にも3を強く意識したデザインが行われており、非電源ゲームとして人間が上手く認識できる範囲のギリギリまでをまとめています。一辺の色は2種類までで、一色あたりの物件数は3つ、物件の強化は4+1段階、ゾロ目は3回まで、刑務所に留まれるのも3回までと、基本的には3までに収められています。物件の強化も、家とホテルを置くと言った具合に一目でわかるだけでなく、独占、家、ホテルと3段階までにまとめられており、4を超える場合は何か道具を用意するといった工夫がなされています。

 上手く双六に付加価値を付けたもので、これをさらにコンピューターゲームとして発展させたものが、いただきストリートや桃太郎電鉄と進化していきます。長く愛されるアナログゲームだけあって、研究対象として非常に良いゲームだと思います。

リスクとリターン

 桜井政博氏曰く、ゲーム性とはリスクとリターンとのことです。モノポリーの場合、どの物件を買うかや家の建築等、お金の使い方が重要なポイントとなります。

リスク
 所持金が減る
 ゲームオーバーに一時的に近づく
リターン
 高い収入を得られる機会が増える

 普通にビジネスというか商売のリスクリターンの様にも見えますが、よく考えればモノポリー自体がそう言うゲームなので当然と言えば当然ですか。

 基本的には移動する度にお金が減るゲームで、他の誰かが移動する度にお金がもらえるかも知れないゲームです。1周の後半になるほど停止時の出費が大きくなりやすい訳ですが、投資にも大きなお金が必要になります。逆に前半では収入も小さ目ですが出費も小さく、序盤では活躍が見込めます。

 どこにどれだけお金を投資するかという戦略。そして戦略を練ってなおダイスの気まぐれさに左右されてしまうギャンブル性。この二つのバランスの良さが面白さを産んでいるのでしょう。

  
プロフィール
HN:
色々ありすぎでどれを名乗ろうか
Webサイト:
性別:
男性
自己紹介:
素材屋GY.Materialsを運営。
TRPGや同人ゲームなどを制作。イベントプロデュース等。
P R
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