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同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。

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2016/02/29 (Mon)
R-TYPEのゲームデザイン

損のデザイン

限定された期間
 あり
リソースの管理
 あり
明示された選択肢
 なし

分析と感想

 グラディウスと並ぶSTGの名作の一つです。強制スクロールのSTGはそれ自体が限定された期間として機能し、ほとんどの縦横スクロールSTGはこの損を基本にデザインされています。スクロール型のSTGで限定された期間の損からスクロールを省いたのは、知りうる範囲ではファンタジーゾーンのみですね。

 見た目の差別化はもちろんなされますが、リソースをいかに管理するかで個性が競われることが多いように思います。主にパワーアップをどう管理するかがスクロールするタイプのSTGの個性で、R-TYPEではフォースの前後とシュート、対地対空反射レーザーの選択、波動砲の3つのリソースをプレイヤーは管理することになります。

 これ以降発売されるΔやFINALでは機体の選択が可能となりますが、ステージ選択などに大きな影響もなく、ほぼ一本道であるため、シリーズを通してゲームの進行に影響を与える選択肢というものは存在しません。もっとも、STGで選択肢が明示される事は稀で、ダライアスぐらいではないかと思います。

 R-TYPEはグラフィックやデザインの見た目、BGMはもちろん秀逸なのですが、名作たらしめているのはその難易度設計とストーリーにあると思います。難易度は、初見殺しを適度に配置することにより次は回避できるかもしれないと言う期待を抱かせ、100円を投入するモチベーションへつなげています。そしてストーリーというか、世界観はグラディウスには無い損を生み出していて、この部分がR-TYPEへと魅了される部分を数多く生み出しています。

 グラディウス、R-TYPE共に、ストーリーの大筋は外敵を倒すと言うシンプルなもので、だいたいのSTGはこの枠組み内に収まる。R-TYPEが他と一線を画すのは、その機体設定にあります。一作目のR-9に関してはその他のSTGとあまり大差ないのですが、2作目では乗り込むためにパイロットは四肢を切断され、エンジェルパックと呼ばれるシリンダー状の物に詰め込まれ、神経接続により機体を直接操作する、という狂気じみた設定が付与されました。パイロットを部品扱いし、機体に乗り込む事そのものに大きなリスクがあるSTGは少なく、以後、この手の部品扱いの設定は受け継がれていきます。

 例として以下のような一覧を用意しました。

R-9C 四肢を切断され、生体コンピューターとして機体に乗せられる。
R-9/0 肉体を14歳ほどに固定して運用を行っている。
R-9W 脳波を波動砲のエネルギーに変換している。パイロットの消耗が激しく身動きが取れなくなるため、コックピットごと取り換える。
R-9WF 脳波のみならず生命エネルギーをも波動砲のエネルギーとする機体。パイロットは電池と同じく、完璧に使い捨ての消耗品扱い。
BX-T 敵であるバイド生命体を培養して、機体の装甲に用いる実験の試作機。装甲と言っているがどう見てもコックピットはバイドそのもので、要は、パイロットはバイドに乗り込む事となる。

 BX-T以降のB系列は殆どがバイドと同じ見た目となっていて、それに乗って大丈夫なのかと言うか、どこからどのように乗るのかといった疑問を抱かざるをえない機体が勢ぞろいしています。さすがチームR-TYPE。


 こういった機体設定の禍々しさは、怖いもの見たさの一種ではあると思いますが、損として機能していて、惹きつけられる人を生み出す要素になっています。

 世界観というか、各機体の個性の出し方などについては、いかにしてインパクトを出すかの参考にもなると思うので、興味があればR's MUSEUMを見てください。

リスクとリターン

 桜井政博氏曰く、ゲーム性とはリスクとリターンとの事です。R-TYPEの場合は、まずはシューティングの基本的なリスクリターンがあるように思います。

シューティングの基本的なリスクリターン(移動)

リスク
 見落とす敵の弾が出る
リターン
 動くことにより敵の弾を回避できる

 安全な空白地帯、回避行動のルートを取るために移動をしなければならないのですが、同時に見落としていた敵や地形、弾にヒットする可能性が出てきます。

シューティングの基本的なリスクリターン(撃破)


リスク
 被弾等で撃墜されるかもしれない
リターン
 安全な領域を確保する

 敵の撃破も安全を確保するためで、撃破そのものはリターンでは無いかも知れません。いかにして生存を楽しむかというゲームで、弾幕という形で進化したのも「一見派手だが回避は可能で生存を楽しめる」生存を楽しむゲーム性を進化させた結果なのかなと感じます。

波動砲のリスクリターン

リスク
 連射できず弾幕が減る
リターン
 硬い敵を一撃で落とせるなどの特殊攻撃が行える

 波動砲は色々と種類があるので一概には言いにくいのですが、原則としては通常ショットを減らす代わりに強力な攻撃を放つというものです。なので、いかに状況に応じて両者を使い分けるかがゲーム性と言えると思います。

 ステージのギミックなどを知れば知るほど攻略の選択肢として機能するとも思います。


フォースの戦略性

 生存ゲームのルールを一変させる仕組みがフォースです。斬新にも攻撃だけでなく防御にも使える無敵のオプションで、前方への装着、後方への装着で弾を防いだり、射出して攻撃するなど当たったら死ぬ敵の弾を消すゲームチェンジャーとも言えます。

フォース変更のゲーム性

リスク
 ステージにあわない攻撃になるかも知れない
リターン
 ステージにあう攻撃になるかもしれない

 フォースの変更は基本的にはステージにあうものが用意されていたように思います。もう一つ存在するリスクとしては使い慣れない、好みではない武装に代わってしまう点でしょうか。

フォース射出のゲーム性

リスク
 防壁が無くなる
 攻撃も弱くなる
リターン
 届かない場所にいる相手を攻撃できる

 例えば壁のような地形の向こう側にいる危険な敵に対して、フォースを射出すれば向こう側の敵の撃破が可能です。その分防御は下がりますので被弾には弱くなります。フォースが外れると攻撃も弱体化しますので、まぁまぁなリスクは存在します。

 しかし、それでも外した際の攻撃方法も攻撃範囲が格段に広くなりますから、状況に応じての使い分けが楽しく、この射出に関しては中毒性のあるゲーム性のような気がします。
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