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同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。

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2016/02/26 (Fri)
left 4 dead のゲームデザイン

損のデザイン

限定された期間
 なし
リソースの管理
 あり
明示された選択肢
 あり

分析と感想

 FPSの良作。特に開発者のコメントが見られるので、ゲームデザイナーを志す人は一度触れてみて欲しい一作です。シンプルにするほど面白くなる、といった名言が随所に散らばっていますし、開発の際に苦労した点や工夫など、生の意見に触れることが出来きます。

 ゲームモードにもよりますが制限時間は特には設定されていません。ただし、一時的に、特定の感染者にマウントを取られたときなど、ところどころに現れることが有ります。

 各武器に設定された弾薬はリソースとして機能しています。ハンドガンは所持弾薬こそ無限にありますが、装填数には限りがあるため、いつリロードするのかは管理として強く機能しています。

 所持弾数に限りのあるメインウェポンは3種類の分類に分かれ、うち2種類に上位互換の武器が存在します。このメインウェポンに何を選ぶかは攻略の上で重要なカギとなり、またプレイヤーの個性が発揮される場所でもあります一撃の強い近距離のショットガンを選ぶか、弾をばらまけるマシンガンを選ぶか、それとも大概は一撃で倒せるが連射の利かないハンティングライフルを選ぶか。操作キャラにこそ性能差はありませんが、用いる武器によって立ち回りが変わってくるので、どの武器を選ぶかは重要な選択肢と言えます。

 色々と学ぶべき点の多いゲームですが、特にバランスのとり方についてはこのゲームを教材としても良いと思います。AIにより登場する敵の数、種類を決定しており、難易度をプレイヤーに合わせて調整してくるのですが、その調整の仕方が秀逸と感じます。

 敵のキャラクターの種類もそれほど多くなく、通常感染者、ブーマー、ハンター、スモーカー、タンク、ウィッチの合計6種類しかいません。さらに、ウィッチの登場回数は少なく、タンク、ウィッチに関しては専用の音楽が流れるため無理に記憶せずとも曲と関連付けて覚えることが出来ます。

 通常戦闘で紛れ込んでくる特殊感染者は、敵を集めるブーマー、飛び掛かってくるハンター、そして拘束してくるスモーカーの3種ですが、3種類に絞っているからこそ、ラッシュ中などにおいても認識がぎりぎり追いつく範囲にまとまっています。

 なによりも、特殊感染者を出すために大量の通常感染者との戦闘がある事。これが素晴らしいですね。

 人間、慣れる生き物なので、マップの構造やルートを把握していても通常の敵との戦闘が長く続くと、ついブーマーやハンターの事を忘れてしまいます。そして、慣れてきたであろう所で彼らを突然配置し、罠にかけて来る。

 ゲームを通して、プレイヤーも含め、彼らの強さは基本的に変わることはありません。にもかかわらず難易度を上手く調整出来ているのは、この慣れてきたところにスパイスを用意する、AIの働きによるところが大きいと言えます。

 ラッシュを用意したり、特殊感染者を用意したり。こんなところでタンクかよ等、ただただ感染者との戦闘に終始するのではなく、突然起こるハプニングを上手く難易度に利用しています。これは空気作りの一環でもあると思いますが、全体を通して非常に洗練されたコンセプトワークが成されているので、どのジャンルを作るにしても一度は触れてもらいたい名作と、個人的には考えています。

リスクとリターン

 桜井政博氏曰く、ゲーム性とはリスクとリターンとの事です。L4Dの場合は様々なリスクリターンが混在しています。基本ルールとしては移動してゴールであるセーフハウスを目指すだと思います。ゾンビを倒しては少しずつ進むゲームですから、強引に進むと囲まれてしまうリスクが存在します。ならばその場で敵をすべて倒してその場に留まり安全を確保すると言うのが定番なのですが、このゲームの面白い所はAIディレクターによりその場に留まり続けるとラッシュが発生したり後ろから襲われたりと、スタート地点以外では絶対に安全が確保できない仕様になっている点です。

 なのでプレイヤーは休憩時間と戦闘回数を天秤にかけながらステージを進行していくことになり、ここが有る意味ではリターンであると言えると思います。

L4D 基本のリスクリターン

リスク
 戦闘回数が増えるかも知れない
リターン
 休憩時間が取れる

 相手が一撃で倒せるとは限らない仕様上、あまり命中率などもリスクリターンとしては機能していません。敵が多いため適当に撃っても当たりますし、ゾンビが遠慮なく接近してくるため戦闘のほとんどは目の前で発生します。なので敵との距離が近いほど倒せるリターンが大きくなると言うようなものでもありません。

 厄介なのは特殊感染者です。彼らはそれぞれに攻略法が異なります。例えば基本的には距離を気にしなくていいゲームではあるのですが、ブーマーやタンクは近距離で戦ってはいけません。ブーマーは極力遠くから、タンクは逃げながら倒さないと危険です。所がラッシュ時では足を止めていることが多いため、この2体は極めて危険な相手となります。

 ハンターやスモーカーは単体では他のゾンビと大差ありません。なんなら銃では無く殴り倒しても問題の無い相手です。不意打ちに気を付けていれば大した脅威ではありません。

 しかしウィッチに関しては戦わない、ライトを向けない、無視するというのが攻略法となります。倒し続けるゲームなのに倒してはいけない場面が突然発生する。やらなくてはいけない事がやってはいけない事に代わる敵で、タンクやブーマーとは違ったベクトルでゲームチェンジャーの役割を持っています。

 プレイヤーがこなすべきルールが、時としてプレイヤーのやるべき事、やりたい事と相反する時、プレイヤーは戦略等を考える楽しさを得ると言う原則をL4Dは示してくれているように思います。
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