同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。
2024/12/04 (Wed)
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2016/02/25 (Thu)
レミングスのゲームデザイン
損のデザイン
限定された期間あり
リソースの管理
あり
明示された選択肢
なし
分析と感想
パズルゲームの名作の一つで、向いている方向にしか進めないレミングスをゴールに導くと言うゲームです。何も命令していなければ前に進み、壁に当たると向きを反転する挙動を繰り返します。彼らは目の前に炎が有ろうとも崖が有ろうとも迷いなく直進するので、トラップを上手く回避できるよう、穴を掘ったり階段を作ったり、特殊能力で壁を登らせたりと様々な命令を与えながらゴールへの道筋を作っていきます。各ステージには時間制限と、ゴールさせる目標人数が設定されています。時間内にその人数を救えなければそのステージは失敗です。この時間制限で難易度が大幅に変化し、難易度easyでクリアしたステージがhard等で再登場し、前クリアしたしと油断していたら時間が足りずクリアできなくなったりします。
各レミングスに与える事の出来る命令の数がリソースとして機能しています。恐らくですが、ステージ作成の際に、まずは正解の手順を決定した後、正解の手順を増やすためこのリソースの量を調整する作り方をしていると思います。同じマップでも命令の数が異なることも良くあります。コマンド数が8なのも人間の認知としては迷わせるのにちょうどいい数です。
レミングスを名作たらしめているのはやはり自爆コマンドだと思います。ルートを作成するためストッパーを用いるステージはかなりの数に上ります。ですが、このストッパーは大抵の場合、ルートが出来上がると自爆して殺される運命にあります。そのうち慣れるのですが、初めてこの攻略法を見出した時、多くのプレイヤーがこうつぶやいたことでしょう。「ごめん」と。そして、この「ごめん」はいろんなシーンでもついつぶやいてしまいます。ルートが出来上がったと思ったのにトラップを一つ見落としていて、そこにレミングスを大量に送ってしまったとき。あるいは段差を見落として引き返してしまい、その先が崖や炎だったとき。プレイヤーの判断ミスで大きな犠牲を出してしまったとき、ついごめんと言ってしまいます。
レミングスは当然生きていないしただのドット絵に過ぎないのですが、プレイヤーの判断、操作ミスで死んでしまう、殺してしまうと言う所に心理的な損が発生しています。実にうまい作りです。愛着と言うものかもしれませんが、この手の損を上手く作れたゲームはだいたい名作ですね。
リスクとリターン
桜井政博氏曰く、ゲーム性とはリスクとリターンとの事です。レミングスの場合はどうでしょうか?色々と思いつくのですが、危険性と報酬を突き詰めて考えると、レミングスは常に移動しています。そして移動した先にはトラップや崖などの様々な障害があり、これを乗り越えて道を作る事がリスクとリターンと言えるかもしれません。なので、基本的な物は以下のような形になると思います。
リスク
レミングスが死ぬかもしれない
リターン
トラップ等の困難を乗り越える安全なルートが出来る
となると戦略はリソースの管理部分に当たるかと思います。つまりどのコマンドをどこでどのタイミングでいくつ使うか。
実際難易度の低いステージをみると、崖やトラップの障害の数であったり、コマンドが使える面積が広く、コマンド数も多いと言う事で余裕があります。この余裕があまりにも多いと作業ゲーとなってしまうかもしれません。
レミングスの場合は登場する数に上限があり、目標とする生存数、そしてタイムリミット等も存在しています。これらをゲームとして成立させているのはなによりもレミングスが常に左右に動き続けてしまうという性質では無いかと思います。
時間をかけすぎるとタイムリミットに間に合わなくなります。
リスク
タイムリミットに間に合わなくなる
リターン
じっくりと考える事が出来る
死亡数を無視すると目標の生存数に届かなくなってしまいます。
リスク
目標ノルマを達成できない
リターン
安全なルート構築のロケハンは出来る
クリアの為には時にはリスクを背負って、ステージの失敗を覚悟のうえで臨む必要もあるでしょう。プレイヤーの思い通りに動かない相手が救出対象というのもこのゲームの面白さを産んでいる要因かもしれません。
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プロフィール
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色々ありすぎでどれを名乗ろうか
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性別:
男性
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素材屋GY.Materialsを運営。
TRPGや同人ゲームなどを制作。イベントプロデュース等。
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