同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。
2019/12/11 (Wed)
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2016/03/24 (Thu)
ブラウザMCあくしずのゲームデザイン
損のデザイン
限定された期間あり
リソースの管理
あり
明示された選択肢
あり
分析と感想
2016/03/31にサービス終了という事で。サービス開始から終了まで、それなりに遊ばせてもらったので忘れてしまわないうちに。元々ブラウザ三国志のコンパチで、どの損もバランスよくデザインされている。
期という区切りがあり、期が過ぎると、それまで獲得したユニットなどの一部のデータは残るが、それ以外はリセットされる仕組み。NPCの拠点を攻略した数に応じて期の終了時にボーナスが手に入るシステムや、建物の建築、破壊、領地の取得、破棄、領地を増やすために必要な名声等、時間を強く意識したデザインが根底にあったように思う。
時間経過と共に手に入るリソースも上手く作られており、食料を基準にして拠点の人口と兵士数が決定され、その他の資源を消費して生産施設や兵士をストックする兵舎、保有資源の上限を決める備蓄基地などの建築が行えた。兵士の生産にも資源を消費し、いかにして効率よく資源を使い切るか、溢れさせないかで損を演出していた。時間経過の上にリソースを上手く乗せた良いデザインだと思う。
名声が一定以上集まると新たな拠点を作ることが出来る。取得した領地から選択することになるのだが、建築できるスペースに関しては元の領地によって変化するため、戦力と状況に応じてどこに作るかの選択は常に迫られている。また、どのような建築にするかも一定のセオリーこそ存在するが、プレイヤーの個性が現れる部分でもあった。
ユニットがその性能を発揮するためには拠点へと配備しなければならない。各ユニットにはコストが存在し、配備できるコストには上限があった。基礎能力が強力な物ほどコストが高く、運用数に限りが出てしまう。また、各ユニットにはHPが存在し、レベルが上がるほどこの回復が遅くなる。再配備するには100まで回復せねばならず、ここにも時間の損を盛り込んできていた。
ユニットのレベルアップはポイントによるもので、同一のカードを所持していても全く異なる性能のユニットを保有することも珍しくは無い。そしてスキルが3つまで装備でき、その内容も自身のスペックを挙げるものであったり、率いた兵士のスペックを挙げるものであったり、自動的に発動するものであったりと様々な選択肢が示されていた。
……と、ここまではブラウザ三国志の基本的な要素であって、ブラウザ三国志が長く続いているのは時間を軸としたデザインが非常にバランスよく整っているからと言える。
ただし難点として、戦争ゲームと言う都合上PvPがメインであり、相手プレイヤーからの攻撃によりリソースを大量に消費した兵士が0になることがある。これによって今まで積み重ねてきたものがすべて失われると言う大きな損が襲い掛かる事になり、戦争が起れば起るほど、PLが減る、と言う傾向にある。
この減少するPLを繋ぎとめるため、新規スタートのワールドを次々と作り、新規参入しやすい環境を何とか確保しなければならないが、それは三国志と言う広い題材だったからできた手段とも言える。MCあくしずと言うコンテンツでは少々その裾野が狭かった。
あくしずよりもやや先に、同じくブラ三コンパチの一騎当千がスタートしているが、こちらはエロめのカードを増やす事と、キャラや作品についているファンのおかげで戦争での兵士の死亡は損ではなく、カードの入手に専念する、普通のソシャゲに近い方向性で元々の難点を克服した。
一方のあくしずは、フォーメーションという独自要素の導入で選択肢のゲーム性を増強させた。デッキにセットされたユニットが同一フォーメーションを持っている場合性能が上がるというもので、非常によいアップデートだった。しかし、その後新レアリティと4.5コストと言う、これまでの4.0コストの上限を上回るユニットが追加された。これが間違いの始まりだったと言える。
スキルにはコストが高ければ高いほど威力が高くなる、という物が数多く存在し、4.0コストまでで上手くまとまるよう調整されているものがほとんどだった。そこに4.5となるとバランスが崩壊し始める。当初は数が少なかったから、まだマシだったが、その後も新レアリティは次々と導入され、コストに関しては5.0まで膨れ上がる。希少価値とゲーム性は崩壊してしまったが、そもそもユーザー離れを招いたのは、度重なる新しいレアリティの導入で希少価値を上げ、資金の回収にかかったことにより、このサービスがそろそろ終わるのではないかと言う空気がユーザーに流れてしまったためだ。
聞くところによると、途中からゲーム担当のトップが変更になり、変更後に新レアリティの乱発が見られるので、組織のトップがいかに大切か、と言う良い事例の一つともいえるかもしれない。
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