同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。
2019/12/12 (Thu)
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2016/01/29 (Fri)
ゲームバランスとして代表的な損。その2「リソース」
行動経済学とゲームデザインにおいて、人は損によって動かされると書いた。として、前回はゲームデザインの代表的な損として3つの要素を揚げ、そのうちの一つ、期間について書いた。
おさらいだが、ゲームデザインの代表的な損は以下の3つ。
今回はリソースについて書いてみたい。
リソースを管理するゲームの例
リソースというのは資源と言う意味で、往々にして数値化されたり、アイテム化されたりするもので、ゲームデザインにおいて最も重要な部位でもある。リソース部がしっかりとデザインされていれば、それだけでゲームとして成立する。実例を見てみよう。
将棋やチェス
は自軍の駒がリソースとして機能している。相手に取られると損をする単純な仕組みだが、将棋の場合は相手の駒を取られる事で、相手のリソースがさらに増えると言う2重の損を生み出している。
信長の野望
などでは数値化された自軍兵士や領土、武将、お金等といったリソースをどう増やしていくか、というゲームデザインだけで成立している。
ウィザードリィ
やドラゴンクエスト
も、リソース管理で成り立っている部分があり、使える魔法の回数、アイテムの量などをうまく管理しながら、探索を進めていくゲームと言っていい。
そしてリソース管理に特化した名作ゲームといえばマインクラフト
だ。ブロックを一つ破壊して、ブロックを一つ手に入れる。手に入れたブロックをいくつか消費して新しいアイテム(ブロック)を作り上げる。作られたアイテム(ブロック)を設置しそこにブロックやアイテムを放り込む事で、新たにアイテムが生まれる。
いくつ消費して、いくつ生産して生き延びるか。もっている土ブロックというリソースを、壁に使うのか、畑に使うのか。木材というリソースを壁に使うのか、屋根に使うのか、ピッケルに使うのか、はしごに使うのか、精錬のための薪につかうのか。ひとつのリソースをどう扱うかに特化したゲームと言える。
リソース管理だけではゲームとして成り立たない
ざっくりとリソース管理としたが、ゲームの本体そのものである場合が多いため、ここには様々な創意工夫が行われる。しかし、一点、これだけは忘れないでもらいたいのは、ゲームデザインとは損を生み出す相手がいて初めて成り立つ。
マインクラフト
をべた褒めしたが、マインクラフト
と同様に創造を刺激するゲームとして登場し大いにコケたゲームがある。セカンドライフ
だ。セカンドライフ
がこけた理由はそこに損のデザインがなかったからだ。
例にあげたものを見てみよう。
将棋はすでに書いたが、損は駒を減らされる事。そして損を与える相手は対戦相手だ。
信長の野望
の場合、抱える武将は同時に損でもある。その損を補うためには領土が必要で、一つの領土には限界がある。その領土を狙うNPCが居て、奪わんとするために兵士と武将を送り込んでくる。当然、領土を奪われるのは損なので、兵士と武将をぶつけ合い、兵士と言うリソースを損させる。兵士の雇用のためにはやはりリソースが必要で、これもある面では損だ。つまり、根本的に抱える兵士、武将という損をすべて解決するためには損を与える外敵をすべて片付けなければならない。この損を解決する行動こそ全国統一で最も単純なゲームクリア条件となっている。
ウィザードリィ
やドラゴンクエスト
の場合、戦闘で登場する敵はもちろん、こちらのリソースであるHPなどを奪ってくる、損を与える相手である。そして、その損を与える相手とは敵のみならず、ダンジョンの構造そのものも敵として存在している。歩くほど遭遇する率は増えるのだ。つまり、歩数は損そのものでもある。しかし、最短ルートを通るためにはダンジョンの構造を理解していなければならない。よって、マッピングにより数値化されないリソースを作り、より長く、より深く潜れるよう、キャラクターを鍛え、装備を整える。ドラゴンクエスト
であればここで終了だが、ウィザードリィ
の場合はこれにキャラロストの危険性と言う損をさらに設けており、リソース管理をおろそかにした場合は大きな損をこうむることとなる。
最後にマインクラフト
。手に入れたブロックはもちろんリソースとして機能するが、それ以上に建築した拠点、建物などはもっと大きなリソースとして機能している。主人公であるスティーブンのHPなどもあるがリスポーンする以上、保有しているアイテムのロストぐらいしか損はない。よって普通の敵や地形、というものはそれほど大きな損としては機能していない。マインクラフト
を名作たらしめているのは、建築物を破壊するクリーパーの存在だ。同じことはセカンドライフ
ではできない。敵を登場しHPを奪う事はセカンドライフ
でもできるが、プレイヤーが作った建築物を敵キャラが無差別に破壊する、というのは絶対にできないのだ。自分の手で作った建築物が破壊される損。このインパクトは艦これの艦娘のロストに近い衝撃を受ける。そのため、これをどう回避するかという部分に意識が向けられ、面白さを見出しているのだ。
リソースの管理のためには必ず敵対者が必要で、そのリソースは代替などで必ずリカバリー出来なければならない。そして、その損のショックが大きければ大きいほど人はそれを避けようとするため面白さを見出す。よって、何か一つ、必ず避けたくなるリソースの損を用意する事。これの有無で、ゲームの面白さは格段に変わってくるはずだ。
おさらいだが、ゲームデザインの代表的な損は以下の3つ。
- 期間
- リソース
- 選択肢
今回はリソースについて書いてみたい。
リソースを管理するゲームの例
リソースというのは資源と言う意味で、往々にして数値化されたり、アイテム化されたりするもので、ゲームデザインにおいて最も重要な部位でもある。リソース部がしっかりとデザインされていれば、それだけでゲームとして成立する。実例を見てみよう。
将棋やチェス
信長の野望
ウィザードリィ
そしてリソース管理に特化した名作ゲームといえばマインクラフト
いくつ消費して、いくつ生産して生き延びるか。もっている土ブロックというリソースを、壁に使うのか、畑に使うのか。木材というリソースを壁に使うのか、屋根に使うのか、ピッケルに使うのか、はしごに使うのか、精錬のための薪につかうのか。ひとつのリソースをどう扱うかに特化したゲームと言える。
リソース管理だけではゲームとして成り立たない
ざっくりとリソース管理としたが、ゲームの本体そのものである場合が多いため、ここには様々な創意工夫が行われる。しかし、一点、これだけは忘れないでもらいたいのは、ゲームデザインとは損を生み出す相手がいて初めて成り立つ。
マインクラフト
例にあげたものを見てみよう。
将棋はすでに書いたが、損は駒を減らされる事。そして損を与える相手は対戦相手だ。
信長の野望
ウィザードリィ
最後にマインクラフト
リソースの管理のためには必ず敵対者が必要で、そのリソースは代替などで必ずリカバリー出来なければならない。そして、その損のショックが大きければ大きいほど人はそれを避けようとするため面白さを見出す。よって、何か一つ、必ず避けたくなるリソースの損を用意する事。これの有無で、ゲームの面白さは格段に変わってくるはずだ。
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