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同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。

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2016/04/09 (Sat)
桃鉄のゲームデザイン

損のデザイン

限定された期間
 あり
リソースの管理
 あり
明示された選択肢
 あり

分析と感想

 ハドソンが開発したゲームで、双六の発展形です。モノポリーに近いゲームデザインだと思います。元々はさくまあきら氏が自作し仲間内で遊んでいたボードゲームで、電卓の計算が追い付かなくなったためコンピューターゲームにしよう、という事で制作が進められたものとの事です。

 何年遊ぶか、と言う形で期間が決められ、1年に一度決算と言う形で大きな収支が決定します。また、双六なので他のプレイヤーがゴールするまでのプレイ時間も一つの期間として機能しています。

 目的地となる駅で停車した際に商店の購入が可能ですが、これら購入した商店は決算や所持金が足りない際にリソースとして機能します。また特殊カードもリソースとして機能し、もちろん所持金もリソースとして機能しています。

 通常の双六と異なり、どの方向にも出た目の数進むことが出来ます。ただし、往復で2マスという移動方法は使えず、その場に留まりたい場合などは周回してくるしかありません。また、目的地へ進まないと言う選択肢もあるため、戦略、戦術の幅は非常に広く存在します。

 目的地に誰かがたどり着いた際、一番遠い所に居るプレイヤーには貧乏神がはりつき所持金などなどを次々に消費していきます。他のプレイヤーの上を通り過ぎる事で擦り付けることが出来ますが、この貧乏神の存在と擦り付けがプレイヤーに対して非常にいい損として機能し、面白さのスパイスとして機能しています。

 ただし、逆にこの貧乏神により発生する損を受け入れられない人間にはややつらい存在でもあり、人を選ぶ要因ともなっています。
リスクとリターン
 桜井政博氏曰く、ゲーム性とはリスクとリターンとの事です。桃鉄の場合、まずはルートが自由な双六という点が挙げられると思います。

ルートが自由な双六のリスクとリターン
リスク
 1位を取れなくなるかもしれない
 一番遠いと貧乏神がつくかもしれない
リターン
 マイナスの駅を回避しやすくなる
 カードなどを入手しやすくなる
 物件などを購入しやすくなる

 特に物件の購入は安定した収入の要として重要ですし、カードはリスク回避のためにも重要です。

 しかし、リターンの方が多すぎる傾向があるのも事実だと思います。なのでゲームチェンジャーとして貧乏神の存在が挙げられます。

 あまりに遠いと貧乏神がつく訳ですが、貧乏神のやる行動は基本的にはまっすぐ行かずに迂回して手に入れるリターンの強制破棄です。つまり、ゴールを目指そうとさせる、双六に戻そうとする効果をもつルールでもある訳です。

 ただ、これは桜井さんも言っているのですが、あまりにこのリスクが大きいとユーザー離れを招いてしまう事になります。事実、自分は貧乏神がきつくて桃鉄はあまり好きなゲームではないです。リスクの調整が合わないユーザーは離れてしまいます。もっともこれはターゲット層の問題でもあるので、単に自分が貧乏神がキツイユーザー層だっただけだと思います。仕組みとしては非常に効果的な仕組みだと思います。
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