同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。
2024/11/21 (Thu)
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2016/02/20 (Sat)
将棋のゲームデザイン
損のデザイン
限定された期間なし
リソースの管理
あり
明示された選択肢
あり
分析と感想
将棋はどの学校にも部活があるぐらい国民的なテーブルゲームの一つです。チャトランガと呼ばれたゲームがシルクロードを渡り世界へ広がる過程において、極東で将棋になり、西洋でチェスになったと言われています。世界各地で何度もルール改正やら駒の種類の増減、盤面の大きさ変更などが行われ、将棋も例外ではなかったそうです。素人が友人と指したり、部活で部員同士が適当に指す将棋では限定された期間は存在していません。あまりに考える時間が長いと怒られるかもしれませんが、明確に何分という規定はありません。ただし、プロでは持ち時間が設定されています。尤も、この持ち時間はゲーム性の為ではなく対局をスムーズに行うためなので、ゲームデザイン上においては限定された期間は存在していません。
将棋がユニークなのは持ち駒の存在で、相手から取得した駒が新たなリソースとして機能するようになっています。この持ち駒というリソース管理の追加は付加価値が上手く機能した好例と言えるでしょう。
明示された選択肢は、元となった(とされる)チャトランガやチェスが持っているもの、すなわち、盤上の駒と、各駒の移動範囲です。どの駒を動かすのか、2マス以上動けるものはどの場所に動かすのか、相手の移動範囲をどう制限していくか、逆にどう乗り切るかなど、選択しなければならない物はその時々により変化します。また、敵陣に入った際に成るか成らないかの選択肢も明示されています。
長い時間を経てこの9x9マス、8種の駒に落ち着いたのには、恐らく認知の問題がそこにあると思われます。横9マスは、王将を中心として左右に4マス。これは人間が意識して認識できる範囲の限界で、最下段は左右対称となるのもこれに起因します。さらに縦の9マスは3分割して3マスずつと認識しやすいエリアを構成しています。特に自陣が3マスとなるとどこを動かすかは非常に認識しやすいのだが、4マスとなると途端にめんどくささが勝ります。古将棋を見てもらえれば解ると思いますが、初期配置を見るだけでやる気がそがれます。
広くなるとやる気は無くなりますがかといって狭くても混乱をしてしまうもので、7x7の禽将棋はごちゃっとした印象を受けます。余白が無いため、そして認知として7x7をすべて認識してしまおうとするためと、駒の名称がどれもこれも画数が多いため判別しづらいなどが要因です。
古将棋と本将棋を見比べる事で認識しやすいデザインとは何かも知ることが出来ると思いますので、時間があればやってみて下さい。
追記
余談ではありますが、AIの進歩によりプロ将棋の中継では勝率が表示されるようになりました。この勝率表示は将棋のルールが解らない人にも直感的にどちらが優勢か解りやすく、非常に良いUIとして参考にすべきものと個人的には考えています。
リスクとリターン
桜井政博氏曰く、ゲーム性とはリスクとリターンとの事です。将棋の場合はどこにリスクとリターンが存在するのか整理してみます。将棋の場合はコマですよね。接触して相手のコマを倒す事により、自軍の手駒も増え、相手の戦力は減ります。一方で座標が変わってしまうため、どこかにスキが発生します。 元々は持ち駒というような概念が無かったと言われていますので、持ち駒が無い場合は以下のような形になると思います。
リスク
何かしらの駒が危険にさらされる
リターン
相手の駒を減らすことが出来る
リスクを押さえてリターンを得るには個々の駒の移動範囲を把握し、陣形を組む必要があります。陣形を組まれてしまうとゲーム性はその陣形をいかにして崩すかという内容に置き換わるのではないかと思います。
つまり、戦略としては陣形の構築、撃破、再構築、その妨害というような感じになるのではないかと考えます。
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TRPGや同人ゲームなどを制作。イベントプロデュース等。
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