同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。
2024/11/21 (Thu)
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2016/02/17 (Wed)
双六のゲームデザイン
損のデザイン
限定された期間あり
リソースの管理
なし
明示された選択肢
なし
分析と感想
もっとも原始的なゲームの一つです。ゴールまでサイコロを振り、出目を競うというただの運ゲーに過ぎませんがベースがしっかりしているために色んな要素が乗せやすく、人生ゲームであったり、モノポリーであったり、いただきストリートであったり、桃鉄であったりと、数多くの派生作品を生み出しています。ただただサイコロを振るだけなので、出目は損になりうるものですが必ず一歩は進むし、必ずゴールは出来ます。このゲームは一人でやると損は一切発生しません。だから一人でやる双六は面白くありません。サイコロの出目が本当に損として機能するためには対戦相手が必要です。
つまり、限定された期間というのは対戦相手がゴールするまでの期間、それまでに何マス進めるかをダイスに託すから面白さがそこに発生すると言う事になります。ただし唯の運ゲーなので比較的早い段階で限界は必ず訪れます。
この運ゲーと言う欠陥を回避するために、ただ高い目を出せばいいわけではないというアレンジが成されたゲームが多数存在します。人生ゲームがいい例ですが、何かしら損をするマスだったり得をするマスだったりを用意します。すると、特に損をするマスに対してはそこに飛び込みたくないという思いから、よりダイスを握る手に力が入るようになります。
あとはこれに交渉の要素やらお金のやり取りやらと言うリソースの管理を加えればモノポリーやいただきストリートに変化するし、どっちに進んでもいいと言う選択肢を加えると桃太郎電鉄に早変わりします。
マス目からマスでの出来事など無限大のアレンジが可能なので、パーティの幹事等でミニゲームを企画する際には、これが一番やりやすいのではないかと思います。
リスクとリターン
桜井政博氏曰く、ゲーム性とはリスクとリターンとの事です。双六のリスクとリターンについて考えてみたいと思います。……といっても、純粋にいわゆる絵双六と呼ばれるものに関してはリスクもリターンも特に存在しなくて、常に一定の物しか存在しません。双六は上記でも書いていますがただの運ゲーです。選択や操作が存在しないためプレイヤーがリスクを選択すると言うようなこともありません。
絵双六が楽しまれる要素は競争と盤に描かれた絵でしょう。一人でやって楽しいものでも無いですが、一緒に駒を進める相手が居ればそこそこ楽しめます。賑やかな絵は演出として大切で、個人的には紙芝居エロゲが好まれる要素に近いものが無いかなと思っていたりします。
つまり、変化を用意してくれる対戦相手。ヒロインや友人キャラとストーリーですね。そして、背景に描かれた演出。ゲームとしてではなく出来事として楽しむにはこれで十分です。
ストーリー上で主人公が窮地に陥ったり優位にたったりする場面は、盤面でコマが抜いたり抜かれたりする、その運ゲーによる見た目の変化にも置き換えられます。追い付いてきた、抜かせるかもしれない。そういうワクワクはゲーム実況等の観戦者の視点に近いものだと思いますし、楽しい体験が出来ればそれでいい訳ですから、ゲームではないがゲームとして楽しまれる不思議な双六は、ゲームを作る側としても時々振り返ってみるにはいい題材なのではないかなと思います。
また、プレイヤーが練る戦略と言うものが必ずしも論理的である必要が無いと言う事も双六は示してくれているように思います。さいころをふる前に高い目が出ろと念じる様々な行為。儀式のようなものですが、あれをやる事でいい目が出たら次もそれをやろうとしたりします。実際はなんの効果も無いんですが、そういう儀式にはゲーム性を錯覚させる何かがあるのかもしれません。
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TRPGや同人ゲームなどを制作。イベントプロデュース等。
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