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同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。

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2016/02/16 (Tue)
オセロのゲームデザイン

損のデザイン

限定された期間
 あり
リソースの管理
 なし
明示された選択肢
 あり

分析と感想

 昔からあるパーティゲームで、これもやったことが無い人は少ないのではないかと思います。リバーシとの違いが判らなかったのですが、どうやら商標の関係という大人の事情もある、とのことです。

 置く場所が8x8の64マスで、さらに初期配置で4マス使っているため残りは60手。これをお互いにやり取りしていくため一手毎に着実に期間が減っていきます。特に序盤であれば体制を立て直す手段もありますが、終盤になるにつれ徐々に勝敗が確定してきます。よって、最後の一手による逆転という物は有りえないゲームで、勝負が決まる中盤あたりまでお互いの緊張感は強くなっていくゲームです。実際に打てる手順と実質勝敗が決する期間とにややズレのあるゲームではあります。

 今現在、自分の色が押さえているマス目と言うのはリソースではありますが、これを意図的に消費して何かをする、という事は無いので管理には該当しません。よってリソースの管理は存在しません。

 当然、次にどこに置くかが選択肢として常に明示されています。

 おそらく、9x9や10x10ではオセロはあまり面白くならないでしょう。8x8に大きな意味、理由があります。中央の4マスを最初に配置することで、上下左右に3マスの空きスペースが生まれます。人間が無意識に認識できる数は3なので、どう伸ばすかに自然と注意が向きます。それと同時にどちらに伸ばすかは4方向であるので、こちらは常に意識になければなりません。もし10x10であれば、認識の穴が生まれるのに加え、手数、考える時間が必然と増えます。60手と96手の差は1.5倍ほどだが、プレイ時間は2倍以上になるでしょう。それなら8x8を二回やった方が楽しい時間になるかと思います。

 盤面の大きさや形に制限のないリバーシよりも後発のオセロの方が有名なのは、形を定めた解りやすさもありますが、何よりも8x8と、中央の初期配置により、上下左右の3マスを生み出したためだと個人的には考えます。

リスクとリターン

 桜井政博氏曰く、ゲーム性とはリスクとリターンです。オセロの場合は、自分の色と同じ色で挟むと言うだけですので以下のようなリスクリターンになると思います。

リスク
 挟まれて相手の色になるかも知れない石が増える
リターン
 自分の色を増やせる

 インベーダーの説明ではトーチカという存在がルールをひっくり返すキモとなっていましたが、オセロの場合はと言うと、盤面の端でしょう。通常は4方向で挟まれる危険性を常に持ちますが、どこかの端につくと1方向潰れてしまうため挟める向きが決まってしまいます。さらに角は2方向潰れてしまうため決してひっくり返されることのない石の確保が可能となります。

 ゆえにいかにして角を取り、相手に角を取らせないか。そのためにどう広げていくかを考えるようになり戦略性が産まれています。シンプルで見た目にもわかりやすいので理想的な設計なのではないかなと思います。
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