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同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。

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紙芝居ではないアドベンチャーゲームがあります。昔のアドベンチャーゲームは、さんまの名探偵がそうであるようにフィールドをあちこち移動してイベントを探す、と言う形式のものが主流でした。

 それ以前はオホーツクに消ゆのようにコマンド形式で、どこに行くかなどの選択肢が常に存在し、行った先で何をするのかでシナリオが進行していきました。探すという行為が探偵ものと非常に相性が良かったため、一時期主流となったフィールド探索は不要な選択肢を示してしまうのも手伝って排除されることになります。

 フィールド探索を削除したアドベンチャーゲームが次に向かった先は、選択肢の削減とテキストの増加でした。これによってどんなシナリオでも受け入れられる万能のシステムが出来上がりましたが同時にゲーム性の大部分を失ってしまいます。つまり、紙芝居形式のアドベンチャーが誕生したと言うわけです。

 なお、削除されたフィールド探索の機能は、これに戦闘という要素が加えられることとなり、RPGと言う新しいジャンルへと進化していきました。その結果、たまに戦闘を排除し、フィールドを徘徊する脱出ゲームなどもRPGと呼ばれるようになり、アドベンチャーが本来もつ「冒険」という要素はすべてRPGへと引き継がれました。一方ジャンル名として残ったアドベンチャーは、たまに探検要素は増えるものの基本的には選択肢を選ぶ紙芝居ゲームとなり、呼び方こそアドベンチャーではあるが中身としては全くの別物として成立してしまいました。
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いくつかジャンルがある中で、アドベンチャーゲーム(紙芝居形式)のものは、シナリオの完成とゲームの完成がほぼ同時に出来上がります。ゲーム性と言う意味ではよく疑問視されてしまい、エロゲーなどでよく使われる紙芝居が「ゲーム」の定義に当てはまるかどうかについては議論の対象となります。

 とりあえずゲームであるとした場合、選択肢さえあればゲームが成立するという事になるので、アドベンチャーというジャンルは完ぺきな万能性を持っていると言ってもいいでしょう。シナリオに一つでも分岐を加えるだけで成立するためです。

 さらにシステムも非常に簡易なもので、プログラム初心者にもとっつきやすいジャンルと言えます。選択肢を増やして、日数などの管理を加えればよりゲームらしさも出てくる。よって、最低限のゲーム性で、シナリオを楽しんでもらおうという場合はアドベンチャーを選ぶといいと考えます。

 ただし、シナリオの腕前が要求されるジャンルでもあり、ゲーム全体に対するシナリオの評価はほぼ全てと言っても過言ではありません。また、制作期間は、実は紙芝居アドベンチャーの方が長くなる可能性があります。

 登場人物をあまりにも増やしてしまうと、それだけでテキスト量は跳ね上がり、完成しなくなってしまう可能性が跳ね上がります。よって、ゲーム作成初心者は、作成ジャンルにアドベンチャーを選ぶのは正解なのですが、登場人物をできるだけ絞り、ヒロインは一人か二人、多くても3人までとしたほうが無難です。

 前回も書きましたが、まずは短編でもいいから完成させる習慣をつける事。まずは完成。これはどの創作でも言われる定番ですね。
ゲームを作っているとき、シナリオを先に作るのと、システムを先に作るのとでどちらが良いかで悩む事があります。

 経験上ですが大抵の場合はシステムから作った方がいい結果が出ています。シナリオから作る場合、完成しているシナリオであった方が楽です。一番やってはいけないのが、シナリオを考えながらシステムも作るやり方。これはかなりの高確率で完成しません。

 完成したシナリオから作る場合のメリットは、面白いポイントをピンポイントで抜き出すことが出来る事。デメリットとして完成していたはずのシナリオが、加筆したい衝動にかられて完成していないシナリオになる事。完成していないシナリオになった瞬間、シナリオの肥大化などによりシナリオが完成しない危険性が跳ね上がってしまいます。

 システムから作った場合の方が完成しやすい理由は、システムの表現の都合で限界ができるため、シナリオが完成しやすくなり、ゲームとして成立しやすくなるからです。それこそ、シナリオは一切なくてもゲームとして成り立つ場合の方が多い。また、同じシステムでもシナリオを乗せ換えるだけでゲームとして成立するため、つぶしが効きます。RPGツクールなどは好例。

・・・つづきはこちら

結論から言うとシステムの方が大事です。

 一番触るところはコマンドの選択だったり、キャラクターの移動であったり、魔法の発動であったりと、このシステムでストレスがあると、どれだけ面白いシナリオでも遊んでもらえなくなります。逆に、シナリオがどれだけ面白くなくてもとりあえずのクリアぐらいまでは目指してもらえます。

 リベリオンがいい例です。シナリオはそこそこなのに、どうしようもないシステムが災いして評価が非常に低くなりました。

 逆にシナリオがどれだけ良くても、システムのストレスを我慢しながら進めるのはかなり苦痛を伴います。アドベンチャーゲームなどでも、システムがある程度しっかりしていれば、シナリオが面白くなくとも、例えばイベント画像の回想をコンプリートする為に周回プレイができたりはできます。コントロールボタンでのスキップがあったりすれば、周回プレイは楽ですから。

 もちろん、評価の対象になるのはシナリオのほうが大きくなります。だから余計にシナリオに力を入れたくなるのですが、システムというのは言ってみれば建物の基礎。地下に埋もれていて評価はあまりされませんが、この基礎が悪いと立てた家はいとも簡単にぐらついてしまいます。ストーリーともいえる家の内装、壁紙や彫刻にいくらこだわっても、傾いた家には住めませんから、システムはシナリオよりも大事です。
ゲームセンターCXでのインタビューから。
参考になるかと思って書き起こしました。
バンダイナムコゲームズ 代表取締役。
代表作:ワニワニパニック

ゲームを作る絵で一番大切なこと
「シンプル、アンド、奥深い。この二つに限りますね」

#45 第7シーズン第一回より
  
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