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同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。

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損のデザイン

限定された期間
 あり
リソースの管理
 なし
明示された選択肢
 あり

分析と感想

 昔からあるパーティゲームで、これもやったことが無い人は少ないのではないかと思います。リバーシとの違いが判らなかったのですが、どうやら商標の関係という大人の事情もある、とのことです。

 置く場所が8x8の64マスで、さらに初期配置で4マス使っているため残りは60手。これをお互いにやり取りしていくため一手毎に着実に期間が減っていきます。特に序盤であれば体制を立て直す手段もありますが、終盤になるにつれ徐々に勝敗が確定してきます。よって、最後の一手による逆転という物は有りえないゲームで、勝負が決まる中盤あたりまでお互いの緊張感は強くなっていくゲームです。実際に打てる手順と実質勝敗が決する期間とにややズレのあるゲームではあります。

 今現在、自分の色が押さえているマス目と言うのはリソースではありますが、これを意図的に消費して何かをする、という事は無いので管理には該当しません。よってリソースの管理は存在しません。

 当然、次にどこに置くかが選択肢として常に明示されています。

 おそらく、9x9や10x10ではオセロはあまり面白くならないでしょう。8x8に大きな意味、理由があります。中央の4マスを最初に配置することで、上下左右に3マスの空きスペースが生まれます。人間が無意識に認識できる数は3なので、どう伸ばすかに自然と注意が向きます。それと同時にどちらに伸ばすかは4方向であるので、こちらは常に意識になければなりません。もし10x10であれば、認識の穴が生まれるのに加え、手数、考える時間が必然と増えます。60手と96手の差は1.5倍ほどだが、プレイ時間は2倍以上になるでしょう。それなら8x8を二回やった方が楽しい時間になるかと思います。

 盤面の大きさや形に制限のないリバーシよりも後発のオセロの方が有名なのは、形を定めた解りやすさもありますが、何よりも8x8と、中央の初期配置により、上下左右の3マスを生み出したためだと個人的には考えます。

リスクとリターン

 桜井政博氏曰く、ゲーム性とはリスクとリターンです。オセロの場合は、自分の色と同じ色で挟むと言うだけですので以下のようなリスクリターンになると思います。

リスク
 挟まれて相手の色になるかも知れない石が増える
リターン
 自分の色を増やせる

 インベーダーの説明ではトーチカという存在がルールをひっくり返すキモとなっていましたが、オセロの場合はと言うと、盤面の端でしょう。通常は4方向で挟まれる危険性を常に持ちますが、どこかの端につくと1方向潰れてしまうため挟める向きが決まってしまいます。さらに角は2方向潰れてしまうため決してひっくり返されることのない石の確保が可能となります。

 ゆえにいかにして角を取り、相手に角を取らせないか。そのためにどう広げていくかを考えるようになり戦略性が産まれています。シンプルで見た目にもわかりやすいので理想的な設計なのではないかなと思います。
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損のデザイン

限定された期間
 あり
リソースの管理
 あり
明示された選択肢
 あり

分析と感想

 トランプを使ったゲームの定番の一つ。これをやったことが無い人は居ないのではないかと思うぐらいメジャーなゲームで、ローカルルールがほとんど存在しません。ローカルルールを入れる余地が無い、と言い換えれるかもしれません。

 このゲームだけでバラエティの番組が成り立つぐらい盛り上がるゲームで、今まで見た中で一番面白かったと思ったのは、メンタリストDaiGo vs ホリエモンと、DaiGo vs 坂上忍のこの2戦です。対ホリエモンでは何をしても損をこうむり、それでも必死に損を回避しようとするホリエモンの姿に感情移入し、面白さを作り出していました。対して坂上忍戦では、損をするはずの坂上忍が逆に攻め、最後の一枚でDaiGoが追い詰められ、ババを引きたくないって言う損、ババを引いたときにのしかかるであろう損を回避する姿に感動すら覚えました。

 実はこのゲーム、人は損に動かされるという行動経済学の理論を良く表しているゲームで、普通、ババを引くと大きなショックを受けますが、ペアが出来ると喜ぶと思います。しかし、よく考えるとペアが出来るという事は、次にババを引く確率が上がるという事でもあります。リスクはどんどん上がっていくのです。それでもペアを作った時の喜びよりババを引いた時のショックの方が大きいものです。これは損を大きく記憶するからですね。

 損を大きく記憶すると言う話はまた長くなりますので今回は置いておきます。

 要はババが損で、これを引かせることが損の回避として成り立っている、という事です。

 ゲームで使う枚数は1デッキ分なので、プレイヤーが引く回数はある程度制限されています。複数人数でやった場合、一人、また一人と抜けていき、最後の二人になると一気に緊張感が増します。ゲームの敗北、と言う損が目の前に迫っているからですえ。同時に勝利の喜びを一番味わえるのは最後に残ったこの2名のいずれか、勝利した側と言えます。

 手に持っているカードはリソースと言えなくはないです。ただし管理できるものではないのでリソースの管理の要素は手札には有りません。普通は。しかし、どう並べるかと言う部分は自分で管理できる部分でありますし、それ以外にもどれがババなんだろうね、という会話を相手とするのもまたリソースの管理と言えます。相手から情報を引き出そうとしたり、逆に隠そうとしたりする心理戦がここで生まれます。もっともこれは後付けであって、プレイヤー側が勝手にそうやっているに過ぎません。よって、ゲームデザイン上派生したものに過ぎないので、存在はするが厳密に言うと無いとも言えます。

 最後に明示された選択肢についてですが、これはもう、相手が持っているカードです。自分が持っているカードではありません。どれを選ぶかで結果が決定する。ここでカードを選ぶ、と言う行為そのものが、限定された期間を一つ減らすかもしれないし、同時に選択肢も減らすことになります。勝利条件に近づくと同時に敗北条件を引きやすくなる、実は諸刃の剣。用意された損のデザインを一つの行動で同時に引き起こす。このシンプルさが長年愛される秘訣なのでは無いかと思います。

リスクとリターン

 桜井政博氏によればゲーム性はリスクとリターンとの事です。ババ抜きの場合はゲームのルールにリスクとリターンがあると言うよりは、カードの並びや自分自身の表情、相手の表情にゲーム性と戦略があるのではないかと思います。

 基本的なリスクリターンは以下の通りです。

ババ抜きのルール上のリスクとリターン


リスク
 ババを引くかも知れない
リターン
 カードが一枚減るかも知れない

 このルールをひっくり返すための戦略として表情やカードの並び、カマかけなどのコミュニケーションなどが発生し面白さを産んでいると言う事かと思います。

損のデザイン

限定された期間
 あり
リソースの管理
 あり
明示された選択肢
 あり

分析と感想

 それまでパっとしなかったDMMゲームズを一気に押し上げたゲームで、アニメ、TRPGと幅広い展開を見せている人気ゲーム。ランキングも、DMMゲームズで新作が出たときなどに1位を譲ったりはするものの、その時に一位を取ったゲームが「艦これを押さえて!」などと入れてしまうぐらい強力なコンテンツです。逆に言うと、艦これを押さえ続ける自身の無さの現れとも言えるかもしれません。

 期間の損に関して、いわゆる体力に相当するものは弾薬、燃料、鉄鋼、ボーキサイトと、4つに分けられ、上限はプレイヤーのレベルで設定されています。艦娘毎に消費量が設定されており、出撃のたびに資源を消費します。戦艦や空母等、大型で強力なものになるほど消費量が大きくなります。また、戦闘で傷ついた艦娘は修理しなければなりませんが、この修理できるドッグが少なく、誰かが傷ついているのに誰も回復させていない時間が損となります。効率よく回すためには修復が終わったらすぐに次の艦娘を修復しようとする心理がここには働いています。

 次にリソースですが、艦これの場合、艦娘そのものがリソースとして機能しています。戦闘開始時に中破の状態だと、轟沈しロストする危険性が生まれます。次の海域に進めるか、夜戦を挑むか、ここで撤退するか等の判断は、艦娘の状態、すなわちリソースの状態で決定されます。

 次に選択肢の損ですが、艦隊編成がこれにあたります。先述の通り、艦娘にはそれぞれ修理にかかる時間や戦闘での消費量などが決まっています。空母のみの編成が強いかと言えば、戦闘には強くとも回転率が悪く、消費量を賄うため遠征に出す必要があります。また、夜戦にもそれほど強くないために単一の編成にするのではなく、適度に混ぜ合わせた編成の方が良い結果を生む場合もあります。敵の種類によっては得手不得手がやはり存在するため、それに合わせた編成、と言うのも損を回避する面白さとして機能していると思います。

 こうして分析してみると、艦これは艦娘という一つの要素に対して資源消費と回復に関する期間の損、戦闘時における各艦娘の状態がリソース管理の損、そして編成という選択肢の損が集中しており、シンプルで分かりやすいゲームデザインがなされているのが解ります。

 流行った理由にはヒラコーショックや、題材等、色々な要素を上げることが出来きますが、なによりもこのシンプルなゲームデザインという基礎、下地がしっかりしているからこそ、大勢の人の支持を得られたのではないかと思います。

 公式ページ

損のデザイン

限定された期間
 あり
リソースの管理
 なし
明示された選択肢
 あり

分析と感想

 入れ替わりの激しいDMMオンラインゲームでは、かなり健闘している古株ゲームの一つです。一応、主人公である社長も異世界から突然飛ばされたとあり、これがある種の損としては機能してはいます。もちろん機能するかどうかは人によります。

 一応資源が4種類あり、そのいずれもが時間で回復しますが、誰かからの攻撃などの強制的な損失は発生しません。また、食料以外は頻繁に消費するものではないため、リソースの管理そのものではないと判断しました。ゲームパートでもリソース管理は存在しないので、このゲームにはリソースの損は存在していないと考えます。

 食料は他のソシャゲーで言う所の体力に相当し、時間経過により上限を超えあふれてしまう事が損として機能しています。そのほかの資源についても同様で、特にイベント中には武器防具の開発で大量に消費するため、プレイヤーは時間で回復するものも余すことなく使おうとするでしょう。

 このゲームで一番のキモとなっているのは選択肢です。戦闘は自動で行われるのだが、そのパーティをどう編成するか、によって結果は随分と変わってきます。

 パーティ編成は6マスの中に、5名自由に配置することが出来きます。前衛、後衛、それぞれ3名までです。そして、各キャラクターは前衛と後衛で異なる攻撃方法を持ちます。攻撃方法は武器に依存します。基本的に前衛は攻撃回数が多くなり、後衛は攻撃回数が少なくなります。しかし、後衛でなければ回復魔法などが発動しないなど武器によって向き不向きが存在しています。

 さらにキャラクターにより得意の作戦が異なります。リーダーに指定されたものが保有している作戦に従って攻撃のパターンが繰り出されるのですが、同一のレベルによる編成であったとしても、この作戦が異なると結果が大きく変化することが多々としてあります。

 このように、パーティ編成におけるクラス構成、配置、各キャラクターに持たせる装備、リーダーの選択と、選択肢が用意されていて、その選択の結果がクエストに挑んだ結果として反映されるゲームとして成立しています。

 もっと簡単に言うと、「パーティ編成を楽しむゲーム」と一言で表すことが出来ると思います。

 ゲーム内容を一言で言えるかどうかは、そのゲームが良作であるかどうかを図る重要な要素です。だいたい10位以内をキープし、数年間続くゲームであるのも納得がいきますね。

リスクとリターン

 桜井正博氏曰く、ゲーム性とはリスクとリターンという事です。かんぱに☆ガールズのリスクとリターンはどこなのか考えてみたいと思います。

ガチャのゲーム性

 基本的にソシャゲーはガチャ要素も一つのゲーム性として機能していると思います。

リスク
 ガチャに必要ないわゆる「石」が消費される
 石は課金して手に入れたものだったり、それまでのプレイで得た資源

リターン
 強力なキャラクターが手に入るかも知れない

 ガチャのあるソシャゲーではこの辺りは共通していますので、ここはさらっと流します。

クエスト挑戦のゲーム性

 これもソシャゲーでは共通したゲーム性だと思います。

リスク
 負けるかも知れない
 体力の消耗
 時間の消耗
リターン
 勝って経験値やアイテムを入手する

パーティ編成のゲーム性

 さらに編成もソシャゲーでは共通したゲーム性の一つです。どういったパーティ編成にするかはゲーム性そのものと言えるかもしれません。限られた編成枠内でのやりとりで、クエストに合わせた編成を考えたりも楽しいのですが、より抽象度を上げると以下のようなリスクリターンになると思います。

リスク
 編成枠が一つ減る
  使える選択肢が一つ減る
 そのキャラを使うと勝てなくなるかもしれない
リターン
 そのキャラクターが使える

 実際には攻撃特化であったり、バランスであったり、防御重視だったり色んな編成は考えられます。が、それらはそれらでまた別のリスクリターンが発生します。

 例えば攻撃重視であれば

リスク
 防御面がおろそかになる
リターン
 攻撃力が増え、相手に何もさせずにクリアが出来るかも知れない


 かんぱに☆ガールズの場合はスキルの範囲が色々と存在するため、どこに配置するかもゲーム性として機能していました。

リスク
 攻撃を受けやすくなるかもしれない
リターン
 攻撃する対象が増えるかも知れない


 編成の指向によってリスクリターンは常に変化します。運営側として難しいのは、強すぎるキャラクターを一人用意してしまうと根本的なゲーム性が成り立たなくなってしまうという所ですね。かといって増やし過ぎるとユーザー側がめんどくさくなってしまって離れてしまう。どういったキャラクターをどのくらいバランスよく出すかは、運営の腕の見せ所のような気がします。 

関連リンク


 公式ページ

損のデザイン

限定された期間
 なし
リソースの管理
 なし
明示された選択肢
 なし

分析と感想

 コンテンツとしてはあまり長続きしないだろう、と言うのが素直な感想です。一応、シミュレーション部では経過ターンによる報酬の低下、艦隊数というリソースは存在するのですが、艦隊の攻撃に必要な弾薬などと言ったリソースが無く、反撃時や被攻撃時に損が発生する程度となっていました。

 将兵のHP回復と言う期間の損があるにはあるのですが、将兵のHP低下はそれほど気にするようなものではありませんし、回復も容易であるためそれほど損と感じませんでした。また、選択肢も最初に陣営を選択するだけですが、これはゲーム内容にはあまり大きな影響をもたらしてはいません。
(ソシャゲーなので一定やむを得ない部分ではありますが)

 戦力0での戦線離脱についても、船は失われず将兵も失われないため、回復に時間がかかるといった程度の損でしかありません。また、敵の挙動も初期ステージから逃げ惑うものが多く、攻撃をしてこないために反撃を受けない位置取りさえ心がければよく、それ自体の難易度は高くありませんでした。

 演出やデザインなどは非常に凝っていると思うのですが、ソシャゲーでは必須と言ってもいい、プレイヤーの体力に相当するものが存在しないため、あふれる損が無くモチベーションを生み出す仕組みが非常に希薄でした。

 トータルとして、損を生み出すゲームデザインに非常に乏しいなと。厳しいようですがゲームとして面白く無いので半年以上ランキング10位以内のキープはもちろん、30位以内のキープも難しいと思います。開発期間が長かったので意地でサービスを続ける可能性は無くもありませんが、今のゲームデザインでは1年、持たないのではないかなというのが率直な感想です。

 公式ページ
  
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自己紹介:
素材屋GY.Materialsを運営。
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