同人ゲームやフリーゲームはもちろん、ゲームデザイナーを目指す人、これからゲームを作りたい人、今もゲームを作っているがなかなかうまくいかない人向けの、ゲーム開発に関するブログ。
カテゴリー「ゲームバランス」の記事一覧
- 2025.01.28 [PR]
- 2016.01.30 ゲームバランスとして代表的な損。その3「選択肢」
- 2016.01.29 ゲームバランスとして代表的な損。その2「リソース」
- 2016.01.28 ゲームバランスとして代表的な損
- 2016.01.14 ゲームバランスを取る際には人間心理を読む
- 2015.10.24 RPGの戦闘ダメージはこうやってバランスを取れ(桝田省治編)
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行動経済学とゲームデザインにおいて、人は損によって動かされると書きました。そして代表的な3つを挙げ、すでに期間についてとリソースについては書きました。今回は最後の選択肢について考えてみたいと思います。
くどいようですがゲームデザインの代表的な損は以下の3つです。
例えば、オセロは期間と選択肢を上手く組み合わせたゲームで、将棋はリソースと選択肢が組み合わさったゲームです。オセロは非常に良い例で、盤面の数は決まっており、おかれた個数が減らない以上1ゲームの手数は決まっています。よって、1手は期間を失う損です。そしてどこに配置することで自分自身の損を減らし、相手の損を増やせるか。その選択肢を決定するゲームで、ほぼ選択肢だけでゲームが成り立っている稀有な例と言っていいと思います。
大きな枠組みで考えると、初代のドラゴンクエストには選択肢がありません。戦闘のリソース管理においては選択肢が存在するが、あれはドラゴンクエストの一面に過ぎません。全体を通して考えるならば、ストーリーには選択肢による分岐は無く、主人公も男性で性別が決定しており、職業も「勇者」の一種のみ。レベルアップによって何かスキルを選ぶという事もなく、パーティも一人だけで、冒険のリソース管理だけに特化したゲームと言えます。これはドラゴンクエストⅡに関しても同様で、ドラクエはⅢ以降になって初めて選択肢が現れるようになります。どういったパーティで臨むのかはプレイヤーがどこに損を見出すかで変化するため、個性が発揮されます。
キャラクターの選択、スキルの選択という面をより強くしたゲームにディアブロⅡが挙げられます。ストーリーには大きな変化はありませんが、初期キャラクターでスキルの方向性が決まり、さらにレベルアップやイベントなどで手に入るスキルポイントにより、どういったキャラクターに仕上がるかは、一定の定番こそありますが、やはりプレイヤーの個性に大きく左右されます。
選択肢を最も効果的にストーリーに取り込んだゲームと言えば、やはり真・女神転生になると思います。三本の軸となるストーリーはゲーム中の選択肢により大きく変化するばかりでなく、戦闘での行動、店への寄付や利用、仲魔の扱いなどによっても影響を受けます。もちろん戦闘時にどの仲魔を連れて歩くのか、邪教の館でどの仲魔を合成に使うのか。新たに仲魔にしたい悪魔を作るためにはどうするのかと言うのも選択肢として機能していて、より選択肢に重要度を与えた作品と言えるでしょう。
選択肢はそもそも損を内包する
なぜ選択肢があるとゲームとして成立しやすくなるのか。実は選択肢が多ければ多いほど、人は不幸になります。過去を振り返って、あの時あれを試してみたらどうだったんだろう、という後悔が常に付きまといます。そして、重要な選択肢であればあるほど人生においてはもう一度その選択肢が現れる機会は少なくなります。一方で、ゲームはその重要な選択肢をいつでも選びなおすことが出来ます。
つまり、ゲームでは選択肢そのものが選ばなかった選択肢に対する損として機能すると同時に、時間を巻き戻して選びなおす、というリカバリーができるために自分なりの損の回避を見出すことが出来ます。よって、選択肢はあるだけである程度の面白さを保証するし、選択肢だけで成り立っているゲームというものはかなりの数に上ります。
また、選択肢はストーリーとの相性が非常に良いため、アドベンチャーゲームの分岐などにも多く使われます。この場合は固定の結果となることが多く、逆にストーリーの無いゲームでも、SLGなどリソース管理の根底は選択肢であるため、ゲームには欠かせないものと言っても過言ではありません。余談だがリソース管理に使われる場合は往々にして結果はランダムとなります。
さて、ここで重要なのは選択肢はいくつ用意するべきか、という事です。結論から言うとエンディングは3つ以上、選択する機会は4回以上が望ましいでしょう。手ごわさを演出するためには攻撃回数を4発以上にするとよい、と以前書きました。これは人という生き物が3までは無意識に認識することが出来るからです。生活していく上で右と左と前は認識できますが4つ目である後ろや上、下などは意識しなければ認識できません。
無意識で3つ、つまり、エンディングが3つ以上あれば、認識できるギリギリで3回ぐらいのものであれば人は苦痛を感じずにプレイすることが出来ます。よって、エンディングの種類は3以上、できれば3が望ましいと言えます。選択肢だけのゲームであればグッドエンドが3種類、バッドエンドが他にいくつか、と言うのが望ましいでしょう。これは選択肢の損のリカバリーのためです。
ギャルゲーであれば攻略対象そのものが選択肢として機能するので、複数人数を出すのなら3人以上、慣れないうちは3人とした方がいいでしょう。2つでは駄目なのは無意識での認識に余裕があるため物足りなさを覚えるためです。ヒロインが2名の場合、ハーレムルートを作れば3つ目が出来上がるので、それを試してみてください。
同様に意識して4つという事は、選択する機会が4回以上あると以前何を選択したかは意識しないと覚えられないという事です。その時に表示される選択肢は2つ以上あれば十分です。重要なのは選ばせる回数です。これは選択肢の損をより強く演出するためです。
くどいようですがゲームデザインの代表的な損は以下の3つです。
- 期間
- リソース
- 選択肢
例えば、オセロは期間と選択肢を上手く組み合わせたゲームで、将棋はリソースと選択肢が組み合わさったゲームです。オセロは非常に良い例で、盤面の数は決まっており、おかれた個数が減らない以上1ゲームの手数は決まっています。よって、1手は期間を失う損です。そしてどこに配置することで自分自身の損を減らし、相手の損を増やせるか。その選択肢を決定するゲームで、ほぼ選択肢だけでゲームが成り立っている稀有な例と言っていいと思います。
大きな枠組みで考えると、初代のドラゴンクエストには選択肢がありません。戦闘のリソース管理においては選択肢が存在するが、あれはドラゴンクエストの一面に過ぎません。全体を通して考えるならば、ストーリーには選択肢による分岐は無く、主人公も男性で性別が決定しており、職業も「勇者」の一種のみ。レベルアップによって何かスキルを選ぶという事もなく、パーティも一人だけで、冒険のリソース管理だけに特化したゲームと言えます。これはドラゴンクエストⅡに関しても同様で、ドラクエはⅢ以降になって初めて選択肢が現れるようになります。どういったパーティで臨むのかはプレイヤーがどこに損を見出すかで変化するため、個性が発揮されます。
キャラクターの選択、スキルの選択という面をより強くしたゲームにディアブロⅡが挙げられます。ストーリーには大きな変化はありませんが、初期キャラクターでスキルの方向性が決まり、さらにレベルアップやイベントなどで手に入るスキルポイントにより、どういったキャラクターに仕上がるかは、一定の定番こそありますが、やはりプレイヤーの個性に大きく左右されます。
選択肢を最も効果的にストーリーに取り込んだゲームと言えば、やはり真・女神転生になると思います。三本の軸となるストーリーはゲーム中の選択肢により大きく変化するばかりでなく、戦闘での行動、店への寄付や利用、仲魔の扱いなどによっても影響を受けます。もちろん戦闘時にどの仲魔を連れて歩くのか、邪教の館でどの仲魔を合成に使うのか。新たに仲魔にしたい悪魔を作るためにはどうするのかと言うのも選択肢として機能していて、より選択肢に重要度を与えた作品と言えるでしょう。
選択肢はそもそも損を内包する
なぜ選択肢があるとゲームとして成立しやすくなるのか。実は選択肢が多ければ多いほど、人は不幸になります。過去を振り返って、あの時あれを試してみたらどうだったんだろう、という後悔が常に付きまといます。そして、重要な選択肢であればあるほど人生においてはもう一度その選択肢が現れる機会は少なくなります。一方で、ゲームはその重要な選択肢をいつでも選びなおすことが出来ます。
つまり、ゲームでは選択肢そのものが選ばなかった選択肢に対する損として機能すると同時に、時間を巻き戻して選びなおす、というリカバリーができるために自分なりの損の回避を見出すことが出来ます。よって、選択肢はあるだけである程度の面白さを保証するし、選択肢だけで成り立っているゲームというものはかなりの数に上ります。
また、選択肢はストーリーとの相性が非常に良いため、アドベンチャーゲームの分岐などにも多く使われます。この場合は固定の結果となることが多く、逆にストーリーの無いゲームでも、SLGなどリソース管理の根底は選択肢であるため、ゲームには欠かせないものと言っても過言ではありません。余談だがリソース管理に使われる場合は往々にして結果はランダムとなります。
さて、ここで重要なのは選択肢はいくつ用意するべきか、という事です。結論から言うとエンディングは3つ以上、選択する機会は4回以上が望ましいでしょう。手ごわさを演出するためには攻撃回数を4発以上にするとよい、と以前書きました。これは人という生き物が3までは無意識に認識することが出来るからです。生活していく上で右と左と前は認識できますが4つ目である後ろや上、下などは意識しなければ認識できません。
無意識で3つ、つまり、エンディングが3つ以上あれば、認識できるギリギリで3回ぐらいのものであれば人は苦痛を感じずにプレイすることが出来ます。よって、エンディングの種類は3以上、できれば3が望ましいと言えます。選択肢だけのゲームであればグッドエンドが3種類、バッドエンドが他にいくつか、と言うのが望ましいでしょう。これは選択肢の損のリカバリーのためです。
ギャルゲーであれば攻略対象そのものが選択肢として機能するので、複数人数を出すのなら3人以上、慣れないうちは3人とした方がいいでしょう。2つでは駄目なのは無意識での認識に余裕があるため物足りなさを覚えるためです。ヒロインが2名の場合、ハーレムルートを作れば3つ目が出来上がるので、それを試してみてください。
同様に意識して4つという事は、選択する機会が4回以上あると以前何を選択したかは意識しないと覚えられないという事です。その時に表示される選択肢は2つ以上あれば十分です。重要なのは選ばせる回数です。これは選択肢の損をより強く演出するためです。
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行動経済学とゲームデザインにおいて、人は損によって動かされると書きました。として、前回はゲームデザインの代表的な損として3つの要素を揚げ、そのうちの一つ、期間について書きました。
おさらいですが、ゲームデザインの代表的な損は以下の3つです。
今回はリソースについて考えてみます。
リソースを管理するゲームの例
リソースというのは資源と言う意味で、往々にして数値化されたり、アイテム化されたりします。リソースはゲームデザインにおいて最も重要な部位でもあります。リソース部がしっかりとデザインされていれば、それだけでゲームとして成立します。実例を見てみましょう。
将棋やチェスは自軍の駒がリソースとして機能している。相手に取られると損をする単純な仕組みですが、将棋の場合は相手の駒を取られる事で、相手のリソースがさらに増えると言う2重の損を生み出しています。
信長の野望などでは数値化された自軍兵士や領土、武将、お金等といったリソースをどう増やしていくか、というゲームデザインだけで成立しています。
ウィザードリィやドラゴンクエストも、リソース管理で成り立っている部分があり、使える魔法の回数、アイテムの量などをうまく管理しながら、探索を進めていくゲームと言っていいでしょう。
そしてリソース管理に特化した名作ゲームといえばマインクラフトです。ブロックを一つ破壊して、ブロックを一つ手に入れる。手に入れたブロックをいくつか消費して新しいアイテム(ブロック)を作り上げる。作られたアイテム(ブロック)を設置しそこにブロックやアイテムを放り込む事で、新たにアイテムが生まれる。
いくつ消費して、いくつ生産して生き延びるか。持っている土ブロックというリソースを、壁に使うのか、畑に使うのか。木材というリソースを壁に使うのか、屋根に使うのか、ピッケルに使うのか、はしごに使うのか、精錬のための薪につかうのか。ひとつのリソースをどう扱うかに特化したゲームと言えるでしょう。
リソース管理だけではゲームとして成り立たない
ざっくりとリソース管理としましたが、ゲームの本体そのものである場合が多いためここには様々な創意工夫が行われます。しかし、一点、これだけは忘れないでもらいたいのですが、ゲームデザインとは損を生み出す相手がいて初めて成り立ちます。
マインクラフトをべた褒めしましたが、マインクラフトと同様に創造を刺激するゲームとして登場し大いにコケたゲームがあります。セカンドライフです。セカンドライフがこけた理由はそこに損のデザインがなかったからです。
例にあげたものを見てみましょう。
将棋はすでに書きましたが、損は駒を減らされる事。そして損を与える相手は対戦相手です。
信長の野望の場合、抱える武将は同時に損でもあります。その損を補うためには領土が必要で、一つの領土には限界があります。その領土を狙うNPCが居て、奪わんとするために兵士と武将を送り込んでくる。当然、領土を奪われるのは損なので、兵士と武将をぶつけ合い、兵士と言うリソースを損させる。兵士の雇用のためにはやはりリソースが必要で、これもある面では損です。つまり、根本的に抱える兵士、武将という損をすべて解決するためには損を与える外敵をすべて片付けなければならず、この損を解決する行動こそ全国統一で最も単純なゲームクリア条件となっています。
ウィザードリィやドラゴンクエストの場合、戦闘で登場する敵はもちろん、こちらのリソースであるHPなどを奪ってくる損を与える相手です。そして、その損を与える相手とは敵のみならず、ダンジョンの構造そのものも敵として存在しています。歩くほど遭遇する率は増えます。つまり、歩数は損そのものでもあります。しかし、最短ルートを通るためにはダンジョンの構造を理解していなければなりません。よって、マッピングにより数値化されないリソースを作り、より長く、より深く潜れるようキャラクターを鍛え、装備を整える。ドラゴンクエストであればここで終了ですが、ウィザードリィの場合はこれにキャラロストの危険性と言う損をさらに設けているため、リソース管理をおろそかにした場合は大きな損をこうむることになります。
最後にマインクラフトです。手に入れたブロックはもちろんリソースとして機能しますが、それ以上に建築した拠点、建物などはもっと大きなリソースとして機能します。一応、主人公であるスティーブンのHPなどもリソースとしては存在しますがリスポーンする以上、保有しているアイテムのロストぐらいしか損はありません。よって普通の敵や地形、というものはそれほど大きな損としては機能していません。マインクラフトを名作たらしめているのは、建築物を破壊するクリーパーの存在です。同じことはセカンドライフでは発生しません。敵を登場しHPを奪う事はセカンドライフでも疑似的にできますが、プレイヤーが作った建築物を敵キャラが無差別に破壊する、というのは絶対にできません。自分の手で作った建築物が破壊される損。このインパクトは艦これの艦娘のロストに近い衝撃を受けます。そのため、これをどう回避するかという部分に意識が向けられ、面白さを見出しています。
リソースの管理のためには必ず敵対者が必要で、そのリソースは代替などで必ずリカバリー出来なければなりません。そして、その損のショックが大きければ大きいほど人はそれを避けようとするため面白さを見出します。よって、何か一つ、必ず避けたくなるリソースの損を用意しましょう。これの有無で、ゲームの面白さは格段に変わってきます。
おさらいですが、ゲームデザインの代表的な損は以下の3つです。
- 期間
- リソース
- 選択肢
今回はリソースについて考えてみます。
リソースを管理するゲームの例
リソースというのは資源と言う意味で、往々にして数値化されたり、アイテム化されたりします。リソースはゲームデザインにおいて最も重要な部位でもあります。リソース部がしっかりとデザインされていれば、それだけでゲームとして成立します。実例を見てみましょう。
将棋やチェスは自軍の駒がリソースとして機能している。相手に取られると損をする単純な仕組みですが、将棋の場合は相手の駒を取られる事で、相手のリソースがさらに増えると言う2重の損を生み出しています。
信長の野望などでは数値化された自軍兵士や領土、武将、お金等といったリソースをどう増やしていくか、というゲームデザインだけで成立しています。
ウィザードリィやドラゴンクエストも、リソース管理で成り立っている部分があり、使える魔法の回数、アイテムの量などをうまく管理しながら、探索を進めていくゲームと言っていいでしょう。
そしてリソース管理に特化した名作ゲームといえばマインクラフトです。ブロックを一つ破壊して、ブロックを一つ手に入れる。手に入れたブロックをいくつか消費して新しいアイテム(ブロック)を作り上げる。作られたアイテム(ブロック)を設置しそこにブロックやアイテムを放り込む事で、新たにアイテムが生まれる。
いくつ消費して、いくつ生産して生き延びるか。持っている土ブロックというリソースを、壁に使うのか、畑に使うのか。木材というリソースを壁に使うのか、屋根に使うのか、ピッケルに使うのか、はしごに使うのか、精錬のための薪につかうのか。ひとつのリソースをどう扱うかに特化したゲームと言えるでしょう。
リソース管理だけではゲームとして成り立たない
ざっくりとリソース管理としましたが、ゲームの本体そのものである場合が多いためここには様々な創意工夫が行われます。しかし、一点、これだけは忘れないでもらいたいのですが、ゲームデザインとは損を生み出す相手がいて初めて成り立ちます。
マインクラフトをべた褒めしましたが、マインクラフトと同様に創造を刺激するゲームとして登場し大いにコケたゲームがあります。セカンドライフです。セカンドライフがこけた理由はそこに損のデザインがなかったからです。
例にあげたものを見てみましょう。
将棋はすでに書きましたが、損は駒を減らされる事。そして損を与える相手は対戦相手です。
信長の野望の場合、抱える武将は同時に損でもあります。その損を補うためには領土が必要で、一つの領土には限界があります。その領土を狙うNPCが居て、奪わんとするために兵士と武将を送り込んでくる。当然、領土を奪われるのは損なので、兵士と武将をぶつけ合い、兵士と言うリソースを損させる。兵士の雇用のためにはやはりリソースが必要で、これもある面では損です。つまり、根本的に抱える兵士、武将という損をすべて解決するためには損を与える外敵をすべて片付けなければならず、この損を解決する行動こそ全国統一で最も単純なゲームクリア条件となっています。
ウィザードリィやドラゴンクエストの場合、戦闘で登場する敵はもちろん、こちらのリソースであるHPなどを奪ってくる損を与える相手です。そして、その損を与える相手とは敵のみならず、ダンジョンの構造そのものも敵として存在しています。歩くほど遭遇する率は増えます。つまり、歩数は損そのものでもあります。しかし、最短ルートを通るためにはダンジョンの構造を理解していなければなりません。よって、マッピングにより数値化されないリソースを作り、より長く、より深く潜れるようキャラクターを鍛え、装備を整える。ドラゴンクエストであればここで終了ですが、ウィザードリィの場合はこれにキャラロストの危険性と言う損をさらに設けているため、リソース管理をおろそかにした場合は大きな損をこうむることになります。
最後にマインクラフトです。手に入れたブロックはもちろんリソースとして機能しますが、それ以上に建築した拠点、建物などはもっと大きなリソースとして機能します。一応、主人公であるスティーブンのHPなどもリソースとしては存在しますがリスポーンする以上、保有しているアイテムのロストぐらいしか損はありません。よって普通の敵や地形、というものはそれほど大きな損としては機能していません。マインクラフトを名作たらしめているのは、建築物を破壊するクリーパーの存在です。同じことはセカンドライフでは発生しません。敵を登場しHPを奪う事はセカンドライフでも疑似的にできますが、プレイヤーが作った建築物を敵キャラが無差別に破壊する、というのは絶対にできません。自分の手で作った建築物が破壊される損。このインパクトは艦これの艦娘のロストに近い衝撃を受けます。そのため、これをどう回避するかという部分に意識が向けられ、面白さを見出しています。
リソースの管理のためには必ず敵対者が必要で、そのリソースは代替などで必ずリカバリー出来なければなりません。そして、その損のショックが大きければ大きいほど人はそれを避けようとするため面白さを見出します。よって、何か一つ、必ず避けたくなるリソースの損を用意しましょう。これの有無で、ゲームの面白さは格段に変わってきます。
行動経済学とゲームデザインにおいて、人は損によって動かされると書きました。つまり、面白いゲームを作る上で重要なのは、いかに損を作り回避させるか、この一言に尽きます。では、どこに損を作ればいいのか、と言う面で代表的なものを見てみましょう。
列挙すると以下の物が挙げられます。
これ以外にも期間はあらゆるゲームに取り入れられています。ソシャゲーの体力などはもちろんですが、それ以外にも例えばマリオにおける時間制限、恋愛シミュレーションにおける日数制限、戦略SLGにおける年数制限、ターン数制限などです。ADVなど無くても成り立つものではありますが、もし、今作っているゲームで何か面白さが足りないと思ったら、まずこの期間の制限を導入してみてください。
列挙すると以下の物が挙げられます。
- 期間
- リソース
- 選択肢
これ以外にも期間はあらゆるゲームに取り入れられています。ソシャゲーの体力などはもちろんですが、それ以外にも例えばマリオにおける時間制限、恋愛シミュレーションにおける日数制限、戦略SLGにおける年数制限、ターン数制限などです。ADVなど無くても成り立つものではありますが、もし、今作っているゲームで何か面白さが足りないと思ったら、まずこの期間の制限を導入してみてください。
何回攻撃したら倒せるようにするか。これを決めるためには、攻撃した時にプレイヤーにどう思わせたいか、をまず決めます。
例えばゲームそのものが、大量に襲ってくるゾンビの恐怖心をあおりたいのか、戦士の熱い戦いを演出したいのかで変わるし、雑魚敵を吹っ飛ばす爽快感を味わってもらいたいでも違うし、ボスだから手ごわさを感じてもらいたい、と狙ったものによって変化してきます。
という事は逆算してやればいいんですね。
ちょうどいい動画があるので見てください。
3:30あたりからあるゾンビを攻撃しています。実際に見ていて何発目で自分自身が硬いと思ったか、実況者が硬いと言い始めたか、コメントに硬いと言われたかをカウントしてください。だいたい4から7発目です。
手ごわい敵が少し混じっていると戦術の切り替えが発生して面白さが生まれるようになります。手ごわい敵だらけはストレスになるだけですが、少量であればスパイスとしてうまく機能してくれるはずです。
ポイントとしては3の倍数を超えるたび、無意識で何かの壁を感じるということです。これを意識してバランスを取るといいと思います。敵の数もそうだし、敵から受けるダメージ回数、敵に与えるダメージ回数、RPGであれば戦闘回数や戦闘までの歩数など、回数をもとに実際のステータスを決めればバランスは大きく崩壊せず、望みの効果を演出できるはずです。
例えばゲームそのものが、大量に襲ってくるゾンビの恐怖心をあおりたいのか、戦士の熱い戦いを演出したいのかで変わるし、雑魚敵を吹っ飛ばす爽快感を味わってもらいたいでも違うし、ボスだから手ごわさを感じてもらいたい、と狙ったものによって変化してきます。
という事は逆算してやればいいんですね。
ちょうどいい動画があるので見てください。
3:30あたりからあるゾンビを攻撃しています。実際に見ていて何発目で自分自身が硬いと思ったか、実況者が硬いと言い始めたか、コメントに硬いと言われたかをカウントしてください。だいたい4から7発目です。
爽快感を演出したいとき
爽快感を味わいたい時には、一撃で死ぬ相手を大量に用意し、連射できる武器や範囲攻撃の出来る武器を用意する。ただし、爽快感を味わうためには、不自由さを経験していなければならないので、ゲーム初期では3発以内で倒せる単発の武器を用意します。手ごわさを演出したいとき
この敵が手ごわいなと感じるには二つのポイントがあります。一つは4発以上、できれば7発以上の攻撃が必要な相手であること。もう一つは4発以内、最悪一撃で倒される相手であることのどちらか、もしくは両方を満たした場合に発生します。手ごわい敵が少し混じっていると戦術の切り替えが発生して面白さが生まれるようになります。手ごわい敵だらけはストレスになるだけですが、少量であればスパイスとしてうまく機能してくれるはずです。
ポイントとしては3の倍数を超えるたび、無意識で何かの壁を感じるということです。これを意識してバランスを取るといいと思います。敵の数もそうだし、敵から受けるダメージ回数、敵に与えるダメージ回数、RPGであれば戦闘回数や戦闘までの歩数など、回数をもとに実際のステータスを決めればバランスは大きく崩壊せず、望みの効果を演出できるはずです。
俺屍の桝田省治氏によるRPGのゲームバランスの調整方法を個人的にまとめたものです。
【ゲームデザイン】戦闘計算式初級講座全文
【ゲームデザイン】戦闘計算式初級講座全文
桝田省治代表作
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俺の屍を超えて行け(ゲームデザイン)
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リンダキューブ(ゲームデザイン)
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天外魔境(ディレクター)
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メタルマックス(プロデュース)
プロフィール
HN:
色々ありすぎでどれを名乗ろうか
Webサイト:
性別:
男性
自己紹介:
素材屋GY.Materialsを運営。
TRPGや同人ゲームなどを制作。イベントプロデュース等。
TRPGや同人ゲームなどを制作。イベントプロデュース等。
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